あれから3日経った今でも、余韻が醒めない。
あぁ、僕は今回も、この素晴らしいイベントに参加出来たんだなぁ…という思いで、胸が熱くなる。
僕が、子供の時から心酔し、尊敬してやまない筒井康隆先生の「自作を語る」イベントだ。
先着順の自由席になっていたため、僕は、今回も、開場2時間以上前から並んで、最前列の席を確保。
筒井康隆先生の、まさに眼前で、そのお話を拝聴させていただくことができ、本当に感動した。
あぁ、この椅子に、筒井康隆先生が座られ、そして、最高のお話を聞かせていただいたんだよなぁ…。
開演中の撮影はもちろんNGなので、その写真はないのだけれど、でも、僕の脳裏には、その姿が残っている。
先生の、ひとつひとつの言葉を思い出す。
今回は、1987年の「夢の木坂分岐点」以降の著作について、日下三蔵氏の絶妙な司会のもと、さまざまなお話をお聞かせいただいた。
「歌と饒舌の戦記」「驚愕の曠野」「新日本探偵社報告書控」「残像に口紅を」「フェミニズム殺人事件」「文学部唯野教授」「ロートレック荘事件」「朝のガスパール」「パプリカ」
どれもこれも、僕にとって、思い出深い作品ばかり。
今回、始めてお伺いする逸話も多数。そのエピソードたちが本当に面白く、場内は、何度も何度も爆笑の渦に包まれた。
先生のお話をお伺いするたびに、僕は、作品の素晴らしさを思い出し、そして、再びその世界に酔いしれた。
そして…。
「あの」断筆宣言に関わるお話をお伺いして、いったん休憩。
断筆宣言に関する逸話についても、僕は、今回初めて知ることが多く、「あぁ、そういうことだったのか」と唸ってしまった。
後半も、興味深いお話が満載。
「邪眼鳥」「敵」「わたしのグランパ」「愛のひだりがわ」「銀齢の果て」「巨船ベラス・レトラス」「ダンシング・ヴァニティ」「漂流 本から本へ」「ビアンカ・オーバースタディ」…そして、「モナドの領域」
この10年間、各社から相次いで刊行されている、再編集版の短編集についての話もあった。
あっという間の、しかし、夢のような2時間弱。
僕は、このひとときを一生忘れることはないだろう。
このイベントは、今回で4回目になるのだけれど、僕は、その全てに参加し、その感動に酔いしれている。
会場内に掲示されていたポスターを眺めていたら、過去3回の素晴らしいお話も、脳裏に甦ってきた。
その内容については、現在、SFマガジン誌に連載(書き起こし)されており、僕は、それを何度も何度も読み返している。
今回のお話も、いつかSFマガジンで読めるのだと思うと、本当に楽しみだ。
先生の「自作を語る」イベントとしては、今回がファイナル。
しかし、まだ、夢の時間は繋がる。
終演後…このイベント主催者であるLivewireの方から、来秋、新たな筒井康隆先生のイベントが計画されていることが告げられたからだ。
僕は、その日が待ち遠しくて仕方がない。
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