僕は、平日、夜明け前に走り出す。
その時刻は、概ね3時半から4時ぐらい。冬場だと、この時間はまだ真っ暗で寒いから、走り始めるのに躊躇することもあるのだけれど、今の時期は、むしろ逆。
目覚めたら、1分1秒でも早く走り始めた方がいいし、そうするように努めている。いざ、日が昇ると、ぐんぐん気温が上がっていくからだ。
東京の日の出は、現在、4時半ぐらいなのだけれど、4時頃になると、もう、空は青く染まり始めている。
そして、満月~下弦の月~新月にあたる期間であれば、夜明け前に月を眺めることができる。
ここ数日は、月と、明けの明星(金星)がコラボレーションして、最高の情景だった。
そんな情景について、僕はただ、行き当たりばったりに出くわしているわけではない。
子供の頃から、星を見るのがとても好きなので、それを夜明けランでも楽しむべく、予習をして走り出しているのだ。
予習用のアイテムとして、僕が手放せないのが…。
天体観測手帳2017
これ。天体観測手帳だ。
少しでも星空に興味がある人なら、まさに必携の手帳と言っていい。
日々のページでは、月の満ち欠け状況や、全国各地の日の出、日の入り時刻、天体トピックスなどを掲載。
さらに…。
週単位で、カラートピックスページがあり、毎週、ワクワクするような天体情報を提供してくれる。
昨日、23日は、明け方に「月と金星が接近」という情報。これはもう、走るしかないでないか。
この手帳とともに、僕は、インターネットでも、最新の天体状況をチェックする。
そんな時に役立つのが、「今日のほしぞら」というWebサイト。
ここでは、日時を指定すると、その時刻の天体状況を表示してくれる、とても便利なページがあるのだ。
ここは、国立天文台が運営しているWebサイトだから、その信頼性についても申し分ない。
一昨日、5月22日、朝4時の天体状況。
天体観測手帳では、23日に月と金星が接近、と書かれていたが、その前日にもかなり接近している。金星は月の東。
僕は、そのコラボレーションを楽しみに走り出した。
果たして…。
見えた!
有明月の東に、くっきりと光る明けの明星。
素晴らしいコラボレーションだ。
昨日。5月23日、朝4時現在の星空。
「天体観測手帳」の情報通り、月の北に金星。そして、実際の空も…。
その通りだった。
この時間、空はぐんぐん明けていくので、朝焼けとのコラボレーションも堪能。
太陽の光に負けじと、東の空で輝く、月と金星。いやはや、最高だ。最高すぎる。
例えば星空を楽しむだけなら、夜ランでも可能。
しかし、夜明けランなら、加えて、もうひとつ大きなイベントを楽しめる。
星空から太陽への主役交代。これを味わえるのが、この時間のランならではの、最高の醍醐味だと思う。
今日の夜明け前。
月と金星は離れてしまうのだけれど、その代わり、水星と大接近。
水星は、明け方の高度が低く、金星に比べて暗いため、探すことがとても困難なのだけれど、月とのコラボレーションとなる今日は、滅多にない観測チャンスだった。
ということで、今日は、意気揚々と走り出したのだけど…。
空はどんよりと厚い雲に覆われていて、水星どころか、金星も、月も見ることができなかった。残念。
折角の大チャンスだったのになぁ…。
ただ、まぁ、今日で空がなくなるわけじゃないし、今後も、星空の変化は続いていく。
それを楽しみに、これからも夜明けの天体観測ランを続けていきたい。