僕の今年度ベストワン映画は、「カメラを止めるな!」で不動。
僕は、ブレイク前の7月に見て大きな衝撃を受け、結果、3回も鑑賞したほど。
この1年のみならず、マイオールタイムベストというべきこの作品には、素晴らしい点が山ほどある。
設定の斬新さや後半の衝撃度は言うまでもなく、登場人物のキャラクター設定、ユーモアセンス、ヒューマンドラマ的側面…などなど。
何をとっても申し分のない、超一級作品だと思っている。
だから、この映画を超えるものには、当分出会えないと思っていたが、こと「斬新っぷり」と「衝撃度」に関しては、ひけをとらない作品に出会った。
それが、この作品。
「search/サーチ」だ。
誤解のないように書いておくけれど、この 「search/サーチ」は、「カメラを止めるな!」とは、全くベクトルの異なる作品。
「カメラを止めるな!」は、ゾンビ映画の名を借りた分類不能な作品だけれど、この 「search/サーチ」には確固たる分類がある。
サスペンス、ミステリー、スリラー、だ。
だから、こういったジャンルが好きでない人には、「合わない」と思う。
この映画が、自分に合うかどうかは、予告編鑑賞で診断することができる。
この予告編を見て、興味深いと思ったならば、見に行く価値のある映画だ。
僕自身、この予告編で大きな興味を抱いて、鑑賞を決意したが、正直、少し不安もあった。
「全てがPC画面の中で展開する画期的な映画」というのはわかったけれど、それを映画館の大スクリーンで見る意味があるのか?ということだった。
なんだかちょっとせせこましい、箱庭的な作品になっているのではないかと思ったからだ。
しかし、その斬新な手法でどうやって作品を成立させたか気になったし、僕は、凝ったサスペンスやミステリーが好きなので、とりあえず見てみようと思った。
ということで、公開早々、いつもの新宿TOHOシネマズに赴いた。
上映スクリーンは、9番。
12のスクリーンを持つ新宿TOHOシネマズの中で、最大サイズのTCX画面、客席500人超を有する場所だ。
ここは、例えば「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」のように、映画ならではの大迫力作品を上映するには、絶好の舞台。
そんな豪華なスクリーンを使って、「PC画面を再現する」って…。
正直なところ、もったいない感が半端じゃなかった。
だから僕は、ちょっと不安な思いにも駆られながら、この映画を見始めた。
が、そんな不安は、映画が始まってすぐ払拭されることになる。
開始から5分。物語は、PCの中でしか進んでいないのに、最初の衝撃が訪れるからだ。
そして、その衝撃を伝える《手法》にも、僕は思わず唸ってしまう。
それからすぐに、物語は急展開し、僕はぐいぐい引き込まれてしまった。
何を書いてもネタバレになりそうなので、何も書けないのだけれど、とりあえず言いたいことは、ただひとつ。
予告編の何百倍も面白い
ということだ。
だから、予告編を見て、少しでも、「面白そう」と思ったならば、是非、鑑賞をお勧めする。
物語は、サスペンス、ミステリー仕立てになっているのだけれど、その描き方が、とにかく斬新。
「PCの画面だけを使って」という手法を最大限に生かし、実に、画期的なストーリーになっている。
いや、単に斬新なだけじゃない。
伏線の張り方が見事すぎて、後半は、「あぁ、こういうことだったのか!」と思うことだらけ。実に隙がない映画なのだ。
サスペンスやミステリーというジャンルが好きな人ならば、きっと後悔はしないと思う。
作品の《後味》という点においても、この映画は、「カメラを止めるな!」との類似性が感じられる。
一体何がどう似ているのかについてはネタバレになるので書かないが、両方の映画を見てみれば、きっと納得いただける、筈。
とにかく、斬新っぷりが半端ないし、サスペンス・ミステリとしての出来も秀抜なので、一見して絶対に損はない。
また、普段からPCをよく使っていて、「なんでもかんでもとりあえず検索」したり、facebookやInstagram、YouTubeなどに嵌まっている人は、特に必見。
もしも主人公と同じような立場になったら、PCを使って、自分も「きっとこうするだろう」という、あるある感が満載だからだ。
鑑賞劇場は、巨大スクリーンでの上映でなく、小さなスクリーンで十分。
映画館で見るよりも、むしろ、メディア化やストリーミング化された後、PC画面で見た方が楽しめるのではないか…?とも思う。
ただ、上質の傑作であることは間違いないので、映画好き、ミステリ好きであれば、劇場で見るべき価値はあると思う。
超オススメ。
もちろん、パンフレットも購入。
一見、小型で地味なものに思えたのだけれど…。
体裁が、PCのタブ仕立てになっていたりして、ちょっと凝っている。
写真や裏話なども満載で、これを読むと、再び、この映画を見たくなってくる。
伏線の凄さを確かめたいので、上映期間中に、ぜひ、もう1度見に行こうと思う。