餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

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「音彦」は、ヌーハラ対策なんかじゃなく、壮大なネタグッズであると思う理由

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馴染みの整形外科で、リハビリの順番待ちの間。

つらつらと待合室のテレビを眺めていたら、「ヌードル・ハラスメント」(ヌーハラ)なる問題についての言及が始まった。

ここ日本では、ラーメンや蕎麦を食べるとき、「すすって食べる」のは当たり前で、誰もが自然に行っている。

しかし、欧米人は、こういった麺類でも音を立てずに器用に食べる。

そして、日本人の「すする音」が不快に感じるため、ヌーハラになっているというのだ。

僕は最近、英会話を少し囓っているため、その音が外国人にとって不快だということは知っていたが、大きな問題になっているということまでは知らなかった。

だから、そんなことがテレビで大きく取り上げられていることに驚いたし、さらに、それに対する「トンデモ」対策がなされていることに、衝撃を受けてしまった。

いわばヌーハラ問題を解決するべく企画されたという、この商品。

f:id:ICHIZO:20171101033140j:plain音彦、だ。

現在、クラウドファンディングを募っており、資金が集まれば、12月には発売されると言う。

僕は、この商品の主旨と存在意義に、違和感を感じたが、順番待ちの退屈さで、つい最後までその特集を見てしまい、大きく溜息をついた。

なんで、こんな商品が企画されるかなぁ…。

しかも、その企画元が、「カップヌードル」の日清食品であるというのだから驚いた。

だからこそ大いに話題になるのだろうし、テレビ番組で紹介されるのだろうけれど、僕は、この商品の企画には、やっぱり違和感が拭えなかった。

その存在自体が疑問だらけで、どうにもこうにも納得できない思いがわき上がってきたので、以下、その理由を僕なりに書き出してみようと思う。

まずは、根本的な問題。

そもそも、これで本当に問題が解決するのか?

クラウドファンディングページでの紹介によれば、この商品は、以下の仕組みで開発されている。

 高性能集音マイクが麺のすすり音を感知すると、近距離無線通信を通じて信号をスマートフォンに送信。スマートフォンにインストールされた専用アプリケーションから心地よい音が流れ出し、麺のすすり音をカモフラージュする仕組みです。

この商品で麺を啜った音を感知すると、手持ちのスマホから大きな音が流れて、その音をかき消す仕組みだというのだ。

啜り音自体はかき消されるのかもしれないが、それほどの音がスマホから流れるって、いったいどうなんだ。

そんな音を流されることだって、迷惑なんじゃないか?

麺啜り音より大きな音を周りで流されて、不快な人もいるんじゃないか?

クラウドファンディングページにある動画では、実際にその音を確認することもできるが、僕にはむしろ、その音の方が不快だった。

「音彦」っていうネーミングはどうなんだ?

他人に聞かせたくない音をかき消すため、さらに大きな音を流す…という仕組みで、僕が思い浮かんだのは、トイレの個室でたまに見かける装置。

ボタンを押すと、水の流れたような音がして、排泄音をかき消す仕組みの、あの装置だ。

この商品は、まさに、その仕組みに着想を得たと言う。

トイレでの排泄音と、日本の文化とも言える麺の啜り音を同列に考えていることに僕は驚いたが、さらに衝撃だったのは、「音彦」という、そのネーミングだ。

くだんのトイレ用装置のネーミングは、「音姫」。

これはTOTOの登録商標。「乙姫」と引っかけた(トイレ用装置としては)美しい上品なネーミングだと思う。

しかしまさかその「音姫」から「音彦」に繋げるとは…。

いくら「音姫」から着想を得たとは言え、トイレ用装置を彷彿させるネーミングっていうのは、いったいどうなんだ?

食べるたびに、音を聞くたびに、トイレを思い出すじゃないか。

いったいどんなシチュエーションで使うのか?

「 外国人にとって、日本人の麺すすり音は不快」ということはわかった。

この商品、「音彦」が、その問題を解決するべく、企画されたということもわかった。

ただ、いったい、いつ、どういう時に、これを使うのか?

来日している外国人が、一番不快に思うシーンは、「蕎麦屋やラーメン屋で、日本人が放つ啜り音」だろう。

しかし、その問題について、この商品は全く解決できない。

日本の蕎麦屋やラーメン屋で、全ての日本人客が、「音彦」を使って(しかもスマホのアプリを連動させて!)食べるということはあり得ないからだ。

例えば、自宅に外国人の顧客や大事な友人などが来て、ラーメンを一緒に食べる際、自分はこれを使って食べるというようなシチュエーション…ならば、わからないことはない。

しかし、そんなシチュエーションに、どれほど需要があるのだろう。

フォーク(もどき)で食べる麺は美味しいのか?

「音彦」の形状は、電動歯ブラシの先端にフォークがくっついたようなデザイン。

個人的には、どう見ても使いやすそうに見えない。やっぱり、ラーメンや麺は、箸で食べるものだし、その方が美味しいに決まっていると思うからだ。

Webサイトには、この「音彦」を使って、皆でカップヌードルを食べている動画が用意されている。

まぁ、カップヌードルであれば、プラスチックのフォークで食べる人もいるようだから、わからないことはない。

が、普通のラーメンや蕎麦、うどんなどは、こんなもので食べても、食べにくいだけで、ちっとも美味しくないと思う。

14,800円は高すぎる!

ここは日本であり、麺を啜って食べることは日本の文化である(と思う)のに、なぜ、外国人に気を遣わなければいけないのか、という根本的な疑問は残る。

まぁ、家に大事な外国人顧客などが来た際、気遣いが必要なケースはあり得るから、そういった需要がある人は、とりあえず買っておこうと考えるかもしれない。

しかし、そんな人であっても、商品の予約ページに行ってみたら、驚くのではないか。

f:id:ICHIZO:20171101045752j:plain

なんと、14,800円もするからだ。

※2017年12月15日(金)正午までに予約が5,000個に達した場合のみ販売。という注意書きが書かれており、現在の在庫数は、4,810点。

僕は、190個も売れたことに驚いたが、テレビで大々的に取り上げられた割には、たいしたことないような気もする。

このペースだと、予約が5,000個に達せず、結局発売されない…などということもあり得るのではなかろうか。

結論

と…ここまで書いてきて、僕はようやく理解した。

これは、ヌーハラ対策の商品なんかじゃないのだ。

前述させていただいたように、「音をかき消す仕組み」が却って迷惑になるケースがあり得るので、使うシチュエーションはかなり限られる。

普通のラーメンや蕎麦を、こんなフォークもどきのものを使って食べたってちっとも美味しくない。その上、高い。

ヌーハラ対策的にも、根本解決などしないので、発売するメリットなど、殆どなさそうに思う。

しかし。ヌーハラ対策と切り離し、これを、「日清食品」が仕掛けた、壮大なネタグッズだと考えると、全て合点がいく。

ヌーハラ問題解決します!をダシにして、この商品をPRすれば、あちこちで、「カップヌードルを音彦で食べる」写真や動画が広まっていくからだ。

トイレ用の消音装置「音姫」を連想させる「音彦」というネーミングは、最悪だと思ったが、話題性は当然大きくなる。

そしてまさに、そのことこそが、日清食品の戦略だろうと思う。

商品開発には費用が嵩むが、それは、クラウドファンディングという方式をとり、高いお金を払って投資してくれる人に委ねる。

結局、必要な資金が集まらなければ、作らなければいいだけだ。

その間も、カップヌードルの宣伝効果は続くので、無駄にならない。日清食品にとっては、どっちに転んでも損しない仕組み…なのである。

いやぁ…うまいことを考えたなぁと思うのだけれど、この考え方は穿ち過ぎだろうか? 

 

 


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