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ド派手に裏切られた「メン・イン・ブラック:インターナショナル」への期待

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鑑賞後…僕は、実にモヤモヤした気分になった。

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「メン・イン・ブラック:インターナショナル」を見た後の思いだ。

今作では、これまでのシリーズで主役を勤めてきた2人が消えてしまった。

とびきり脳天気で熱いエージェント「J」と、最高に渋くてクールなエージェント「K」。

ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの最強鉄壁コンビ。その不在は、あまりにも大きい。

しかしそれは、鑑賞前からわかっていたこと。

僕は、寂しさを感じながらも、今回の最新作に期待していた。

この予告編が、とても面白そうだったからだ。

今回、エージェント「M」を演じるのは、テッサ・トンプソン。女性だ。

「メン」・イン・ブラックの筈なのに、女性エージェントを主役に据えたところに新味があると思った。

まぁ、シリーズ3にも、女性エージェント「O」(エマ・トンプソン)がいたし、その「O」は今回も登場するから、不思議ではないのだけれど、主役を演じるというところがポイント。

もうひとりの主役である、エージェント「H」(クリス・ヘムズワース)との掛け合いが、いったいどのようになるのか、非常に楽しみだった。

また、いかにもMIBらしい宇宙人や乗り物、そして、例の「ピカッ」も登場するようだったので、それだけでも十分楽しめると思った。

しかし…。

そんな僕の期待は、この映画の惹句さながら、ド派手に裏切られてしまうことになった。

決してつまらなかったわけじゃない。値段分(前売価格1,400円)ぐらいは楽しませてもらったと思う。

しかし、やっぱり僕は、裏切られた感満載で劇場を出た。

なぜか。

この映画は、「メン・イン・ブラック」シリーズなんかじゃない!と、思ったからだ。

(ここから先は、少しだけネタバレっぽくなる。ストーリーの核心には触れないけれど、これから見に行く予定の人はスルー推奨。)

僕が何より気になったのは、主役2人のキャラクター造型が弱いことだ。

どうにもご都合主義的な設定で、なぜこの2人でなければならないのか、という必然性が薄い。

MIBって、国際的な大機密組織なのに、なんでこんなに人材不足なんだ?

特に、「H」の設定が、かなりいい加減な気がする。

ダメダメな部分は目立っても、それを補う筈の有能ぶりが、まともに描かれておらず、主役を張るだけの器と思えなかった。

ストーリー展開についても、ちょっと微妙。

今作では、インターナショナルというタイトル通り、ニューヨーク、ロンドン、パリ、モロッコ、イタリアと、世界中を飛び回り、最新の兵器を使って、スパイもの的な要素も取り込んでいる。

何となく、ミッション・インポッシブルシリーズを意識しているかのような作りだ。

しかし…。

ミッション・インポッシブルと比べてしまうと、スケールも迫力も劣るし、単調で緊迫感が薄い。

まぁ、最高峰のスパイアクション映画と比べるのは酷だが、ならば、この作品の「売り」はなんなんだろうと考えてしまう。

これまでのMIBシリーズで、大きな売りだった、軽妙さと重厚さの絶妙なブレンドが、この作品には全く感じられないからだ。

主役を演じる2人の掛け合いはあるものの、僕にはどうにも空回りしているように見えた。

ポーン(謎)がいなかったら、もっと寒いことになっていたような気がする。

そもそも、エージェント「M」は、見習いの新人という設定だった筈なのに、世界を救った(という設定の)「H」よりも有能って…ちょっと無理があるんじゃないか?

あぁ、やっぱり、「J」と「K」のコンビは素晴らしかったんだなぁ…。

と、僕はあらためて痛感してしまった。

今回の作品は、 「MIBインターナショナル」であり、「MIB4」ではない。だから、あくまで、本編からのスピンオフ、という位置づけなのかもしれない。

ならば、次回作では「J」と「K」による、本当の続編を見たい。

ただ、やっぱりそれは難しそうだ。

エージェント「K」役のトミー・リー・ジョーンズは、既に70歳を超えている。流石に、もう、異星人と戦うエージェント役をこなすのは厳しいと思う。

前作の「MIB3」では、40年前にタイムスリップするという強烈な裏技を使って乗り切った(若い時代の「K」役を、ジョシュ・ブローリンが演じる設定とした)が、同じ手はもう使えないからだ。

せめて、エージェント「J」(ウィル・スミス)だけでも復活してくれないだろうか。

でも、「K」とのコンビが絶妙すぎただけに、単独で戻ってくるとは思えないし、やっぱり無理かなぁ…。


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