今年も、「このミス」の時期がやってきた。
このミステリーがすごい! 2018年版
例年書いているような気がするけれど、僕は、この本が発売されると、「あぁ、今年も終わりだなぁ」という思いが募ってくる。
僕は、ミステリーファンとしては失格で、毎年の話題作さえ、ろくに読めていない。
しかし、「このミス」については、1988年の創刊当時から購入し続けているから、ミステリー界のトレンド(?)だけは掴んでいるつもりだ。
ぼくの「このミス」コレクション。
91年版と94年版は買い損ねてしまったのだけれど、それ以外は、全て、リアルタイムの時期に購入。
誕生号(創刊号)である1988年発売号から、だんだんと厚くなってきている誌面を見ると、このシリーズの充実ぶりが窺える。
今回の2018年版は、最初に書店で手に取った時、やけに分厚いなぁと思ったのだけれど、それには大きな理由があった。
なんと、誌面の最初に、1988年刊行の誕生号がまるまる挟み込まれているのだ。
このミステリーがすごい!―ミステリー中毒者が選んだベストテン〈’88〉
懐かしの誕生号。
今回の編集後記で、【幻の誕生号】とまで言われているだけあり、古本市場も高騰しており、今日のAmazon価格は、2,000円を超えている。
だから、これまで、誕生号が欲しくても二の足を踏んでいた人には、最高の企画だろう。
なぜ今回これが挟み込まれたかと言うと、「このミス」は、今回の2018年版で、【30年目】【30冊目】ということになるため。
ちょっとややこしいのだけれど、【30周年】ではない。
「このミス」が発刊されたのは1988年であり、今年は2017年だからだ。
その事情はちょっと複雑で、説明が長くなるので、気になる人はこの脚注*1を読んでいただきたいのだけれど、いずれにしても、記念版ということで、誕生号が挟み込まれることになったようだ。
正規版と復刻版の比較。
復刻版は、サイズが一回り小さくなっているが、その内容は、ほぼ同一。正規版の色褪せっぷりに、30年の時代を感じる。
復刻版には、奥付までしっかりついている。
本当に、その内容を、ほぼまるまる収録しているのだ。素晴らしい。
「ほぼ」と書いたのは、再録できなかったコメントなどが存在するため。
奥付には、「今回の再録にあたっては掲載了承の取れなかったものは割愛しています」と注釈が書かれている。
しかし、パラパラと比較してみたところ、それはごく一部で、殆どは再現されていた。
全てのライターに掲載確認をとっての再録作業。大変な労力だったろうと思う。編集部の方々に敬服だ。
正規版の奥付。
出版社名が「JICC出版局」となっているのが、何とも懐かしい。
今でこそ、宝島社という名前は、誰でも知っている大手出版社名だけれど、当時は、JICC出版局という名前だったのだ。
僕は、「このミス」シリーズをとにかく気に入っているので、こういった傑作選や関連ムックも入手している。
僕は、これらで紹介されている作品を読むたびに、「あぁ、これもまだ読んでない」「読まなければ!」と思うミステリーが多数。
少しまで、これらの作品を読むのは、老後の楽しみにとっておこう…とも思っていたが、毎年毎年ベスト作品は増えていくので、老後だけでは追いつかないかもしれない。
となると、今から読み始めておかなければなぁ…。
そもそも、もう老後に突入しているのかもしれないしw
*1:1988年と1989年は、誌面の発売年と年度版表記が同一。1990年発売号以降、「1991年版」などと、翌年版の表記になった。だから、このシリーズには、1990年版がないw