胸が苦しい。
とうとう、「はてなダイアリー」が終了してしまう。
新規受付ができなくなって1年以上が経つし、運営的にも放置状態だったので、時間の問題だろうとは思っていたけれど、いざ発表されてみると、やっぱり寂しい。
「はてなダイアリー」は、ブロガーとしての僕の原点だからだ。
僕は今、「はてなブログ」ユーザーであるが、その利用歴はまだ2年半。それに対して、「はてなダイアリー」は、11年以上も書き続けていたので、やっぱり思い入れは格別だ。
終了のお知らせを読んでいて、感慨深かった点がいくつかある。
はてなダイアリーは、15年前の2003年1月16日よりベータ版の提供を開始し、同年3月13日に正式版を公開しました。
正式サービス開始は、2003年の3月だったのか…。
僕が「はてなダイアリー」でブログを書き始めたのは、2004年の11月だったから、サービス開始からは、まだ2年足らず。
僕は、かなり古参のユーザーだったのだなぁ。
いざブログを始めてみたものの、ズボラな僕のことだから、三日坊主で終わるだろうと思いつつ、しかし、意外にも終わらなかった。
「はてなキーワード」を介して日記と日記が繋がるという新しい体験を提供し、日本のブログサービスの黎明期を牽引してきたと自負しています。
それは、まさにこの《新しい体験》のおかげ。
沢山のモバイラーの方々と繋がることができ、僕は、毎日ワクワクしながらエントリーを書き続けていたことを思い出す。
だから僕は、ずっと、はてなダイアリーで書き続けていこう、と思っていたのだけれど…。
モバイル仲間たちが、続々と「はてなダイアリー」を離れ、他ブログに移転したり、SNSの世界に身を移していくと、僕はだんだん寂しくなった。
2010年以降、僕は、ランニングという新しい趣味に目覚め、人生は大きく転換した。
それまでの僕は、週末になると競馬のことばかり考えていて、必然的に、はてなダイアリーでも競馬ネタを書き続けてきた。
しかし。
いつしか僕は、馬の走りはどうでも良くなってきて、自分が走ることばかり考えるようになっていく。
それから数年経つと、僕は、もう、すっかりランニングの虜となり、競馬からはすっかり身を引いてしまった。
あの頃変わったのは僕だけじゃない。はてなも同様だった。
2013年に「はてなブログ」が誕生。
この新しいブログサービスが生まれたことで、「はてなダイアリー」の立ち位置は、不安定になった。
運営上蔑ろにされることが多くなり、ブログとしての機能は、類似サービスに比べて大きく劣ったまま。
僕は、何度も不満をこぼしていたことを思い出す。
しかし、どんなに不満を並べても、それは決して改善されることはなかった。
はてなが目指す新機能は、全て、「はてなブログ」につぎ込まれていくことになったからだ。
「はてなダイアリー」は、いわば、最新の技術から置き去りにされたサービス。僕は、古参ユーザーとして、それを大いに嘆き続けていた。
しかし、今から考えれば、嘆くのはお門違いだったかもしれない。
《はてな》において、2つのブログサービスを運営し続けていくことは、リソース的に厳しい筈で、もっと前に、「はてなブログ」への一本化がしたかった筈だ。
しかし、それを強制的に行わず、「はてなダイアリー」を残し続けてくれたことが、むしろ凄いと思う。
2年半前。
僕は突発的に決心し、「はてなダイアリー」から「はてなブログ」に移行する。
はてなダイアリー時代、「言い捨ての小部屋」というブログで書いた4,096日分のエントリーは、全て、このブログにインポートさせている。
旧記事のURLにアクセスすると、ここへリダイレクトさせる設定も行ってしまったため、僕はもう、旧ブログにアクセスすることはできない。
ただ…。
運用ページについては、現在もアクセスすることができる。
しかし、これも、もう、見られなくなってしまうのだなぁ…。
「はてなダイアリー」⇒「はてなブログ」の記事インポートは、何もかもスムーズ…というわけにはいかず、ちょっとした悩ましさもあった。
ただ、これも、移行後の快適ぶりと比較すれば、大きな問題ではない。
「はてなブログ」は、「はてなダイアリー」よりも、デザイン性も自由度も高く、何より、運用が断然楽。日々の更新に関わる手間が格段に減った。
しかも、随時改良がなされていくため、安心感も格別だった。
僕は、移行後ほどなくすると、どうしてもっと早く移行しなかったのだろうなぁ…という気持ちに変わっていった。
その後、「はてなブログ」を通じて、沢山のランナーの皆さんと繋がることができたのも最高だった。
「はてなブログ」に移行していなければ、「チームはてブロ」に参加させていただくこともできなかったので、本当に移行して良かったと思う。
とはいえ、僕にとって、「はてなダイアリー」が素晴らしかったという事実は消えない。
そもそも14年前に、はてなダイアリーを選ばず、他のブログサービスに走っていたら、僕の人生は、全く違っていたものになっていた、筈。ブログをやめていた可能性だって十分ある。
僕が、ここまでブログを書き続けることができたのは、間違いなく、「はてなダイアリー」のおかげ。
今、僕は、「はてなブログ」のユーザーだけれど、ブロガーとしての僕を育ててくれたのは、間違いなく「はてなダイアリー」であり、感謝の思いでいっぱいだ。
僕の本棚にある「はてな」関連書。どれもこれも、思い出が沢山詰まっている。
とりわけ、「はてなの本」は圧巻で、この本に出会ったことで、僕は、はてなの素晴らしさに嵌まったと言っても過言ではない。
「はてなダイアリー」関連の2冊は、もはや全く使い道がないのだけれど、これもやっぱり処分できない。
少なくとも、僕がブロガーでいる限り、宝物として残しておくつもりだ。
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