2019年の箱根駅伝が終わった。
往路優勝は、東洋大学。復路優勝は、青山学院大学。
しかし、今年の優勝校はそのどちらでもない。総合力で上回った東海大学が、初優勝の栄冠を手にしたのだ。
往路、復路を通じて10位以下の選手がいなかった安定感と、勝負所の8区における、小松陽平選手の快走(区間賞)が大きく、青学の猛追撃を振り切った。
東海大学は、箱根駅伝とともに、大学三大駅伝に名を連ねている全日本大学駅伝や出雲駅伝には優勝経験があり*1、その実力は申し分なかった。
しかし、これまでなぜか箱根には縁がなかったため、これは悲願の制覇と言えるだろう。
駅伝ファンとして、心から祝福を送りたい。
僕が、毎年リアルタイムで箱根駅伝を観戦している理由は、《駅伝ファン》ということの他に、もうひとつある。
そう。母校である中央大学の応援だ。
箱根駅伝最多出場、最多優勝を誇る古豪であるにも関わらず、最近は、予選会組の常連。
どうにも寂しい限りなのだけれど、それでも毎年、復活を祈って、僕は応援し続けている。
今年も、例年通り、往路は、生観戦に出かけた。
僕が出向いた鶴見中継所付近では、中山顕選手が0.1秒差の2位。
花の2区では、エースの堀尾謙介がいったんは首位に立つという快進撃で、胸が躍った。
2枚看板が力を出し切ってくれたので、今年こそは粘りきれる!シードをとれる!と思っていたのだけれど、往路が終わってみると…。
12位…。
来年の出場権が確保されるシード権は10位までなので、このままでは、また予選会からの参加になってしまう。
10位の中央学院大学との差は2分弱あり、厳しい状況ではあったけれど、僕は何とか、シード権を獲得して欲しい!と祈った。
昨日は、このエントリーを書き上げたあと、テレビで観戦するつもりだったのだけれど、急遽所用が発生したため、それができなくなってしまった。
僕は、フルセグやワンセグのついたスマホを持っていなかったため、通常ならば、外出時のテレビ観戦は困難…だが、大丈夫だった。
箱根駅伝の公式応援Webサイトが、テレビ中継を、そのまま生ライブ配信してくれていたからだ。
と言うことで、僕は、移動中の車内で食い入るようにそれを見続けていた。
前述の通り、今年の箱根駅伝は東海大学が制覇。
その優勝シーンの後も、僕にとっては、目の離せない状況が続いた。
我が母校、中央大学の川崎新太郎選手が、11位で走っていたからだ。
この画面は、10区の21.15km地点。残りは、あと1.85kmしかない。
前を行く拓殖大、中央学院大との差は、この時点で1分以上あったから、どう考えても間に合わないが、僕は、祈りながら画面を見続けていた。
しかし…。
やはり間に合わなかった…。
総合10位以内に与えられるプラチナチケットは、中央学院大学が奪取。中央大学にとって、シード権の扉は、閉ざされてしまったのだ。
ショックを受けていた僕に、さらなる追い打ちがかかった。
シード権は逃したものの、11位は確保…と思っていたのだけれど、ラストで早大が猛追してきているではないか。
早稲田大学は、言わずと知れた箱根駅伝の強豪で、昨年の箱根駅伝でも3位という実績を残している。
だから、今年、シード落ちになってしまったことは、早大にとって大きな誤算だった筈だ。
古豪のプライドにかけても、最後は、ひとつでも順位を上げておきたかったところだろう。
前を行くのが、優勝回数1位を争う古豪、中央大学であれば尚更。
中大の川崎選手は、かなり疲れが見えており、最後の直線に入った時の勢いは、完全に早大が上回っていた。
僕は、「あぁ、最後は12位になってしまったか」と覚悟したのだけれど、いざ、並ばれてから川崎選手が意地を見せた。
伝統校同士で、怒濤のデットヒートを繰り広げ…。
同時にゴール!
はっきり言って、僕の肉眼では全く区別がつかなかった。
競馬中継ならば、写真判定になるぐらいの僅差だったのではないか。
僕は、何とか中大が残してくれていることを祈りつつ、画面を見続けていると…。
おぉぉ、11位だ!
タイム差なしという状況ではあるけれど、秒以下のコンマレベルで、中大が上回っていたということだろう。
これぞ、中大の底力。僕は、胸が熱くなった。
願わくば、これが10位争いだったらなぁ…。あぁ、あと1人。あと1校だったのに。僕は残念で仕方がなかった。
ただ、ひとすじの光明はある。
中央大学における、過去5年の箱根駅伝成績は、「15位」→「19位」→「15位」→予選落ち→「15位」だったから、今年「11位」まで来たことは大きな収穫だ。
今年、最後に見せてくれた底力が、来年の箱根駅伝に繋がることを信じたい。
*1:出雲駅伝は4回も優勝している。