成田ウェンブリーの余韻は、最高の餃ビーで味わおう。
あの日。僕は、出かける前からそう決めていた。
成田「HUMAX」ウエンブリーは、日本三大ウェンブリーの一角。
残りの2つとなる、立川「シネマシティ」ウェンブリーと、川崎「チネチッタ」ウェンブリーで、僕はどちらも、ライブ後の餃ビーを堪能したからだ。
立川の「りん屋 はなれ」では、6種18個のこだわり餃子を、プレモルとともに堪能したし…。
川崎の「三鶴」では、圧巻の自家製辣油に痺れながら、至福の餃ビータイムを過ごした。
だから、今回の成田ウェンブリーでも、ライブの後は、餃ビーと決めていた。
折角成田まで遠征するのだから、ご当地の美味しい餃子を食べなければ、勿体ないじゃないか。
今回、僕が訪問しようとした店は、ここ。
その名は「あきら」
成田駅から数分歩いた、裏通りにある店だった。
一見、居酒屋風ではあるのだけれど…。
店頭の垂れ幕では、「炭焼き」とともに、大きく「餃子」もPR。
店の自慢料理であることがわかる。
入口のメニューボードでも餃子をプッシュ。
看板メニューである「デカうま肉餃子」に加えて、「ネギ餃子」や「わさび餃子」などもある。
この辺りは、事前にWebでも確認していたが、いよいよそれが食べられるのだと思うと、嬉しかった。
おまけに、ビールはプレミアムモルツ。立川の「りん屋」と同様、こだわりの店っぽくて、さらに期待が高まった。
僕は、一通り店頭の写真を撮ったあと、入店。
店内は、テーブルも、カウンターも空いている。さぁ、どこに座ろうかと思い、見渡していると…。
厨房から、店員の人が、手で「✕」印のアクションをとっている。
え、なぜなんだ。僕は、驚いて、「空いてないんですか?」と問いかけた。
すると…。
「すみません、今日は予約で一杯です。」
とのこと。
まさか、嘘だろ…。僕は言葉を失った。
席は、どう見ても沢山空いていたから、店員の言葉が信じられなかった。頭が真っ白になった。
本当に予約で一杯なのだろうか?
店の入口で写真を撮りまくる怪しいオッサン*1だから、拒否しているだけなんじゃないか?
そんなことまで思ったほど、ショックだった。
しかし、僕はすぐに我に返った。
そう言えば、立川の「りん屋 はなれ」でも、店内はガラガラだったが、実は予約客でいっぱいだったじゃないか、と。
僕の後に入店してきた人たちは、皆、店員から、済まなそうに断られていたことを思い出す。
あの日と同じ、土曜の夜。しかもここは成田。遠方から来る参拝客なども多い街だ。
そんな街で、どうしても行きたい店があるのならば、予約しておくほうが確実。
今回、僕はそれを怠ってしまったのだから、入店できないというのも自業自得だ。
しかし…困った。
もしもこれが都内であれば、いくらでも代替の店を探すことができる。地下鉄などに乗って移動するのも簡単だ。
しかし、ここは成田。都内の繁華街とは違って、店の選択肢は非常に限られる。
僕は今回、事前の調査で「あきら」1本に絞っていたため、尚更困った。
iPhoneを使い、慌てて他の店を調べてみたが、めぼしい店は、駅から徒歩1km以上も離れており、しかも、空いているという保証はなかった。
しかし、あくまでここは成田。都内からは遠く離れた地。
特急電車を1本乗り過ごすと、30分も帰宅が遅れてしまうため、安穏とした時間などないのだ。
ということで、僕は、餃子難民状態になってしまった。
もう、こうなったら、普通の居酒屋でもいいか…。そう思い始めた。
京成成田の駅前まで、ふらふらと歩いて来ると、「餃子の王将」を発見。
折角成田まで来たのに、「餃子の王将」というのも芸がないよなぁ、と思ったものの、僕はすぐに考え直した。
電車の時刻を考えると、あまり悩んでいる余裕はないし、背に腹は代えられない。餃子難民になるよりはマシだ。
そう思いながら、さらに少しだけ歩いてみると、ちょっと怪しい雰囲気の店が目に留まった。
*1:一応、自覚症状だけはあるw