15kmビルドアップ走。
5kmごとにスピードを上げていく練習法で、岩本能史先生が「ポイント練習のキモ」と呼んでいるものだ。
限界突破マラソン練習帳 「サブ4」「サブ3.5」「サブ315」「サブ3」書き込み式10週間完全メニュー
- 作者: 岩本能史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では、毎週行うことが推奨されており、僕も以前は、毎週実施*1していた。
しかし、昨年、座骨神経痛を発症して以来、僕は、この練習を実施していなかった。
いや、実施しようとしたこともあるのだけれど、ダメだった。
5km単位でスピードを上げていこうと思っても、いざ、スピードを上げようとすると、座骨部分が痛んで、走れない。
「ビルドアップにならない」練習に終わってしまったのだ。
ということで、その後は、だらだらとした練習を重ねた。
単に走行距離だけ稼いでも、内容が伴っていなければ、結果には繋がらない。
だから僕は、ベルリンでも大阪でも、ろくな走りができなかった。
その後、今年は、手首骨折まで発症。さらに練習量が落ち、レースへのモチベーションも大きく失われてしまった。
だから、僕が今年に入って出場したレースは、たったひとつ。
東京マラソンだけ。
どんなに練習不足であろうと、このレースだけは出場しないともったいない。
だから、骨折完治前ではあったが、強行出場。
大声援をいただいたおかげで、完走こそできたものの、そのタイムは、自己ワーストに近かった。
僕の状態は、本当に、どん底だったのだ。
その後、激痛鍼効果などもあり、体調は緩やかに回復傾向。
だから僕は、練習の質も上げていこうと思っていた。
東京マラソン以降、僕には、もうひとつ、大きな、そしてとても大切なレースが控えていたため、そのレースで復活を祈念した。
4月のロンドンマラソン。昨秋に申し込んでいた、僕の大きな夢だ。
僕は、公私ともに、宿泊を伴う遠征ができにくい状態であったが、これは、2泊5日という「超」弾丸ツアーだったし、この週だけは何とか…という思いで、夢を繋いでいた。
ところが、3月に入って、僕を取り巻く環境が急変。そういうわけにもいかなくなってしまう。
そのため…。
結局、断念ということになってしまった。
どうにもこうにもやりきれず、大きく落ち込んだことを思い出す。
ただ、その後、さまざまな事情がようやく落ち着いてきて、それとともに、座骨神経痛の症状も緩和。
4月末に出走した横浜駅伝では、たった3kmとはいえ、スピードを出して走ることができたので、僕は復活の手応えを感じていた。
そして。
今月上旬。
9ヶ月ぶりの足柄峠走で、僕は、スピードの回復を感じた。
今ならば、ビルドアップ走もしっかりと行えるかもしれない。そう思って、僕はようやく、先週末、実施してみることにした。
ということで、早朝の荒川河川敷へ。
空はどんよりと曇って、日差しは全くなかったが、そのぶん、涼しい。雨は降っておらず、河川敷特有の風もない。
ビルドアップ走を試すには、絶好の環境とも言えた。
恐る恐る走り出す。
僕の目標は、「28分⇒27分⇒25分半」。
前述の岩本式練習帳では、サブ4のソツケン*2で設定されているタイムだ。
以前の僕なら、余裕で行うことができたものだけれど、東京マラソンでは、サブ4を切ることさえできなかったため、当面は、これが一つの目標だと思った。
最初の5km、約28分。予定通り。
この時点では、全くつらさを感じなかったため、ギアを上げる。
次のタームは、27分目標だから、キロ当たり5分24秒で走ればいい計算だった。
ただ、思ったより楽にスピードが出せている感じだったので、無理をしないレベルで、少し上げてみた。
結果、26分強で走れてしまった。
ただ、問題は、ここからスピードを更に上げられるかどうか、ということ。
昨秋以降の僕は、ロングラン後半にスピードを出そうとすると、座骨が痛んでダメになっていたので、正念場だった。
ラスト5kmの設定が25分半ということは、キロ5分6秒で走る必要がある。ということで、僕は、途中のタイムを意識せず、全速力モードに切り替えて走る。
すると…。
おぉ、24分で走れているじゃないか!
上出来だ。今の僕にしては、上出来すぎるとも言える。
思い返してみれば…。
僕は、昨年春のはなもも直前に、「サブ3.5」クラスのソツケンに挑み、「25分⇒24分⇒22分半」のメニューをこなしている。
残念ながら、合格には8秒足りなかったが、「ほぼ」ソツケンクリアできたことが自信になり、はなももでは、サブ3.5で完走できている。
だから、あの頃に比べれば、まだまだ…といえるのだけれど、今の僕にとっては十分で、大きな自信になった。
これをきっかけに、ビルドアップのレベルも上げられるよう、頑張っていきたい。