前回までのあらすじw
その日、僕は、成田からJL413便でヘルシンキに向かっていた。ヘルシンキでFinAirに乗り継ぎ、ジュネーブへ向かう予定だったのだ。
飛行機は定刻に出発し、最初の機内食を食べている頃、突然、機長から、「機体整備のため、成田へ引き返す」との緊急アナウンスが入った。僕は人生初のエアターンバック体験に呆然とし、成田空港に戻ってきた。
成田発の便が、成田に到着したのは、13時50分。
機内で案内された情報によれば、同型の別機に乗り換えるとのことだった。
ただ、それもすぐに準備はできず、再出発の予定時刻は16時45分。3時間近くもある。
それまでの間は、いったいどのような状況になっていたのか。
また、再出発して以降、いったいどのような対処が行われたのか。
JALの対応として記録にとどめておくことにしよう。
結論から言うと、《流石JAL》という手厚い対応だったが、自分なりに「こう動いていれば、もっとスムーズだった」という点もある。
今後誰かの役に立つかもしれないし、自分用の覚書としても、ここに書き残させていただく。
(注:これはあくまで、今回の対応についての一例であり、参考。今後のJALにおいて、全てのエアターンバックで同様の対処が行われることを保証してはいないので、ご容赦(^^;)
- 喫茶・お食事券の配布
- 成田空港係員の説明について
- 再搭乗…。
- 当日乗り継ぎ不能のアナウンス
- ヘルシンキ(乗り継ぎ)空港での対応
- 出口の外で待ちぼうけ…。
- 【教訓】到着エリア内で現地係員に聞くべきだった!
- 3つ星ホテルに宿泊。さらに…!
- 朝食付き&代替フライトも手配済!
- 対応のまとめ
喫茶・お食事券の配布
搭乗ゲートに戻る際、全員に、空港内の飲食店で使える1,500円分の「喫茶・お食事券」が配布された。利用期限は、再出発便の時刻まで。これで時間を潰して欲しいということのようだ。
ただ、僕はこれを利用しなかった。(だから写真が残っている。)
搭乗ゲートの場所にもよるかもしれないが、今回は、これといった店が近くになく、ラウンジの方が近かったからである。
【参考】成田空港(第2ターミナル出国手続き後)レストラン・ショップ
※私見だけれど、ラウンジのステータスを所有していれば、たぶん、ラウンジの方が落ち着くのではないかと思う。
成田空港係員の説明について
成田に着いても、全員に対しての説明は行われなかった。
乗客は、それぞれ最終目的地が違うこともあり、一律の説明ができないということあると思う。
もしも気になる点があるならば、「自分で動いて」係員に乗り継ぎ便などを説明し、状況確認を求める必要があるようだ。
と言うことで、僕は自分で確認を行い、当日中のヘルシンキ乗り継ぎができないことを知った。
だとすると、宿泊などの対応はどうなるのか?と重ねて聞いてみたが、「その点は、問題ないようにさせていただくが、詳細は、ヘルシンキに着いてから、現地職員が対応する」との回答。成田では何もできない、とのことだった。
僕は、それで一安心してしまったが、その認識が甘かったことを、ヘルシンキで思い知る。
再搭乗…。
ということで、当初の出発時間から6時間後、僕は再びJL413便に搭乗した。
今回は、全く同じ機体(B787-9型機)だったため、初回と全く同じ座席でのフライトになった。
再出発にかかる時間や、代替機手配の関係などにもよるのかもしれないけれど、これは助かった。
席が替わってしまうと、色々面倒(今回は、足下の広い非常席が取れたので尚更)だと思っていたからだ。
当然、機内食も同じ物が出たw
折角だから、もう1種類の方を注文しようかとも思ったのだけれど、ちょっと重たい(牛ヒレ肉とパスタ)ような気がしたため、初回と同じものを食べた。流石に、もう、お腹いっぱいだ。
当日乗り継ぎ不能のアナウンス
乗り継ぎの詳細については、ずっと不明なままだったが、ヘルシンキに着く2時間前程度に、ようやく以下のようなアナウンスが入った。
- ヘルシンキからの当日乗り継ぎ便は、全て終了した。
- 当日乗り継ぎできないことを、心からお詫びする。
- 乗り継ぎの人には、ホテルを準備している。
- 詳細は、現地の係員より説明させていただく。
出発が6時間超遅れたことにより、到着時の現地時間は夜の9時近く。だから僕は、 ヘルシンキでの乗り継ぎができないことを覚悟していた。
宿泊についても、成田で「ご迷惑はおかけしない」との回答をもらっていたが、正式にホテルを用意して貰えるというアナウンスがあったのは、やっぱり心強かった。
僕は、もともと機内では眠れないタチで、かつ、今回は、再出発のドタバタなどで落ち着かず、すっかり目が冴えてしまった。
ヘルシンキ到着時の日本時間は深夜2時過ぎ。
普段の僕なら熟睡中の時間帯だったので、一刻も早くホテルに行きたかった。
ヘルシンキ(乗り継ぎ)空港での対応
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着。
機体を下りると、僕は、人の流れに沿って空港内を進む。
出発ゲート付近は、既に「CLOSED」となっており、閑散としていた。
今晩はヘルシンキ宿泊となってしまったため、受託荷物を受け取る必要が発生(本来はそのままジュネーブに運ばれる予定だった)したため、僕は、手荷物受け取りのターンテーブルに向かった。
僕はここで荷物を受け取り…そして、説明の時間を待った。
てっきり、ここにJALの係員がいて、事情の説明をしてくれたり、ホテルのバウチャーを配ってくれると思ったからだ。
しかし、いくら待っても、そんな係員は現れず、僕は途方に暮れてしまった。
その間に、他の乗客たちは次々と出口に向かっている。
そこで僕は思った。係員は、出口の外で待っていてくれているんだ、と。
ということで、僕も荷物を持って出口を抜けた。
この判断が大失敗であることも知らずに。
出口の外で待ちぼうけ…。
ヘルシンキ空港の出口を抜けると、日本人職員の顔が見えた。
僕は、「おぉ、これで一安心だ。」と思ったが、それは大きな誤解だった。
そこにいた日本人は、つい先ほどまで同じ機内にいた人たち。
そう。
JALのCAや操縦士の人たちだったのだ。
現地の事情がわからない、という点については彼らも同じ状況。
だから、外に出てきた僕ら(僕だけじゃなく、ツアー団体などを含め、50人以上が外で待ちぼうけ状態だった。)を見て、困っている感じだった。
操縦士の人は、「中で、職員から説明がありませんでしたか?」と、僕らに問いかけた。
しかし、そんな人はいなかったし、だから僕らはみんな出てきてしまったのだ。
操縦士の人は、「うーん、私たちもここからは中に戻れないので…」などと困っていた。
しかし、現地の日本人係員と何とか通信を繋いで、20分後に迎えにきてくれるという約束をとりつけてくれた。感謝。
今から思えば、彼らも長いフライトの直後で非常に疲れているだろうに、手間をかけさせて申し訳なかった。
ただ、この時の僕らは藁にもすがりたい気持ちだったのだ。
【教訓】到着エリア内で現地係員に聞くべきだった!
その後、確かに20分後に日本人のJAL職員は、僕らの元にやってきた。
しかし、ホテルのバウチャーなどは持っておらず、「中で受け取られませんでしたか?」などと言われた。
僕らは、それでまた混乱状態に陥る。
…結局、その10分後。
空港の中から、フィンランド人と思われる女性が、バウチャーと名簿を持って、僕らの元にやってきた。
どうやらそれは、到着エリア内のカウンターに準備されていたようなのだ。
そう言えば…。僕は思い出す。
到着エリアを出る直前。僕は、カウンターを見かけていたが、「JALの職員はいないし…。」とやり過ごし、出口を抜けてしまった。
これが、どうにもこうにも大失敗だったのである。
JALのトラブルだから、JALの職員が何から何まで手厚くフォローしてくれると思ってしまったのは、僕の甘さ。
ヘルシンキは、当然ながら日本じゃない。ましてや、空港内は特別な場所だ。
だから、まずは何より、空港内にいる係員に尋ねるべきだったのだ。
そうすれば、スムーズにカウンターでバウチャーを受け取って、すんなりホテルに辿り着けたかもしれないのになぁ…。
今後、同様の事態が発生した際は、解決するまで、絶対に空港の到着エリアから出ないよう、気をつけていきたい。
3つ星ホテルに宿泊。さらに…!
ということで、出口を抜けてから1時間以上、かなりバタバタしたけれど、ようやく僕は、ホテルのバウチャーを受け取った。
ホテルは、何ヶ所かに振り分けられているようで、僕に用意されていたのは、空港からシャトルバスで10分程度の場所にあるホテルだった。
おぉ、なんだか素敵じゃないか。
あとで調べたところ、評判のいい三つ星ホテルだった。
部屋は、メチャメチャ広いというわけではないが、とても綺麗で、機能的にまとまっていた。
ロングフライト、再出発の疲れを癒やすには、十分過ぎるホテルだと思った。
ジュネーブでの1泊をフイにしてしまったのは残念だけれど、ジュネーブに深夜着になるぐらいだったら、むしろ、ここでゆっくり休んで、鋭気を養ってから向かった方がいい。
僕の気持ちはすっかり切り替わっていた。
もしも僕がもう少し若ければ…翌々日にマラソンレースを控えてなければ、ヘルシンキの夜の街(?)を探訪していたところなのだけれど。
今回のトラブルにあたり、JALが手配してくれたのは、ホテルだけではなかった。
僕らがもらった封筒の中には、バウチャーと一緒に…。
20ユーロ(約2,500円)が入っていた!
説明書きによると、夕食費を含む(お詫び料)ということのようだけれど、20ユーロは結構な額だから、嬉しい。
しかも僕は、機内食でお腹がいっぱいだったので、夕食など不要。これは、ありがたく今後の旅用に使わせていただくことにした。
朝食付き&代替フライトも手配済!
おかげで僕はじっくりと睡眠をとることができ、体力も回復。
ジュネーブ行きの代替フライトも、朝一番、午前8時発の便を確保してもらっていたので、非常に助かった。
これは、午前10時にはジュネーブに着くので、それならば、土曜日の時間も十分有効に使えるからだ。
空港での手続きなどを考えると、朝6時ごろにはホテルを出る必要があった。だから朝食について、少し心配していたのだけれど、それも杞憂だった。
レストランは、朝4時からオープンしており、しかも、非常に素晴らしい朝食が用意されていた。
いやはや感激だ。
対応のまとめ
JALで、エアターンバックによる当日乗り継ぎ不可の事態が発生した場合は…。
- 喫茶・お食事券がもらえる。
- 乗り継ぎ地でのホテルを確保してくれる。
- 夕食代という形でキャッシュをくれる。
- 翌朝の便も手配してくれている。
ということで、しっかりと対応してくれるため、もしもこのような事態になっても(たぶん)心配はいらないと思う。
但し、こういったトラブル時は、航空会社だけに頼らず、いかに、自分で動けるか、ということも重要。
そのためには、成田にいるうちに、気になる点はしっかりと確認しておくこと、現地では、言葉の壁を乗り越えて、到着エリア「内」の係員にしっかりと確認しておくことが大切だろう。
対処については、エアターンバックの状況次第で、必ずしも同じとは限らないが、どんな状況であっても、JALならば、しっかり対応してくれる筈だ。