いったいどのように表現すればいいのだろう。
僕の拙い語彙では、とても表現しきれないぐらいの感動と興奮。昨晩の《あの瞬間》から、僕は、ずっと夢の中にいるような気分だ。
これが夢なら、一生醒めないで欲しい。そう思うぐらい、僕は、至福の気分に酔いしれている。
そう。
昨晩、僕は、このイベントに参加していたからだ。
これは、単なる「ボヘミアン・ラプソディ」の上映ではない。まさに圧巻の、クイーンのライブ空間、そのままだったのだ。
今回、僕は5回目の鑑賞になるのだけれど、拍手や声出しが可能なスタイルでは3回目。
前回、《SCREEN X》《サウンドアゲアゲ応援》上映に参加した時は、その上映スタイルに感動した。
3面マルチのスクリーンは圧巻で、だからこそ、ライブのシーンでは大興奮したし、みんなで盛り上がった。
…が、一方で僅かながら気になる点もあった。以下の2点だ。
- サイリウム(ペンライト)の光が鬱陶しい
- ウケを狙ったようなツッコミが余計
ということだった。
サイリウムが振られるのは、主にライブシーンではあったけれど、それ以外の場面でも、チラチラと目に入ってくる。
映画館の場内では、通常、携帯電話から漏れる光も禁じているのだから、やっぱりこれはちょっと邪魔だ。
また、ウケを狙ったツッコミは、面白いと感じた時もあるが、この映画には合わない気がした。
《SCREEN X》《サウンドアゲアゲ応援》上映では、その上映スタイルが画期的で素晴らしかったため、そんなマイナス面を補ってあまりある感動があった。
しかしもちろん、マイナス面などは、ない方がいいに決まっている。
だから。
立川シネマシティでの《ライブスタイル上映》が決まり、その詳細が案内された時、僕は喝采を送りたくなった。
いやぁ、わかってるなぁ、流石だなぁ、と思った。
応援上映という方式だから、許容するしかないと思っていた「ウケ狙いコメント」や「サイリウム使用」を、バッサリ切って爽快。
笛やタンバリンなどの鳴り物は、もともと論外*1だと思っているけれど、はっきり《禁止》と銘打たれていれば安心。
しかも、ライブエイドのシーンではスタンディングできる!となれば、チケット瞬殺の大人気になるのも納得だ。
ということで、指折り数えて待った当日。
僕は、立川へと赴いた。
昼間、職場系ランニング仲間との新年会があり、少し飲み過ぎてしまった*2のは誤算だったけれど、それでも、何とか駆け込みで間に合った。
僕は、映画が始まるや否や、拍手と歓声、至福の歌に包まれて、酔いが一気に吹っ飛んだ。
余計なツッコミが殆ど入らないので、心地よく映画の内容に没頭できるし、音楽が流れる部分では、もちろんみんなで歌いまくり。
各所に挿入されるライブシーンが終わるたびに拍手が入ったりするのも、素晴らしかった。
練習シーンでも、場内の一体感は抜群。
「We Will Rock You」では、手拍子で、「Another One Bites the Dust(地獄へ道づれ)」では、足を鳴らして盛り上がった。
そして。
なんと言っても、ラスト。ライブエイドが始まってからが、圧巻だった。
お約束通り、皆が一斉に立ち上がり、その瞬間、映画館の場内は、完全に、1985年のウェンブリー・スタジアムと一体化した。
「ボヘミアン・ラプソディ」の大合唱で始まり、「Radio Ga Ga」で手拍子し、フレディの「エーーーーオ!!」に応え、「Hammer To Fall」で盛り上がり、手を振って「We Are The Champions」へ雪崩れ込む。
まさに夢のような、いや、夢以上の 超絶体験。
スタンディングしながら、一緒に応援し、みんなで歌うことによる一体感、シンクロっぷりは、ハンパじゃない。
これだよ!
まさに、これがやりたかったんだよ!
と、僕は思わず叫びたくなった。
これまで見てきた4回の「ボヘミアン・ラプソディ」を遙かに超え、ダントツの、圧巻の、素晴らしさ。
この映画だけの話じゃない。僕の人生の中でも十指に入るぐらいの、感動体験だったと言っていい。
ライブエイドシーンの「We Are The Champions」が終わっても、場内は誰ひとり座ることなく、エンドロールの曲まで合唱は続いた。
僕も、声が枯れるんじゃないかと思うぐらい、歌った。
「Don't Stop Me Now」では、本物のクイーンライブ映像が流れるため、大興奮しながら歌い続け、「The Show Must Go On」では、歌いながら泣きたくなった。
エンドロール後、スクリーンは、《ライブスタイル上映》の記念画面に切り替わった。
が、まだ、誰ひとり帰路に向かう人はいなかった。
それどころか、なんと…。
アンコールが始まった!
僕も、思わず一緒に手を叩いて、アンコールをしていた。映画鑑賞後に、アンコールをするなんて、僕の長い人生の中でも初めての体験だ。
これは、あくまで《ライブスタイル上映》であって、本物の《ライブ》ではないし、そもそも、映画本編は終わってしまっている。
だから、いくらアンコールをしたところで、何も出てくるはずはない。
それはわかっていたのだけれど、でも、手を叩かずには、アンコールせずにはいられないほどの夢体験だったのだ。
数分ぐらいしたろうか。
場内の照明がつき、係員の人が出てきて、ようやく僕らは現実世界に戻された。あぁ、戻りたくなかったなぁ…。
それぐらい名残惜しい、超絶過ぎる上映だったのだ。
劇場から出るまでの間にも、皆がこぞって、夢空間での興奮を語り合っていた。
あぁ、またいつかこのスタイルで上映して欲しい。
この体験をした全ての観客が、同じ思いを抱いているだろう。
そして、きっとまた、実施される筈だ。
立川シネマシティの方々は、映画ファンの気持ちをよくわかっている。だから、あれだけ続いたアンコールの声に、必ず応えてくれると、僕は確信している。
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