さぁ、いよいよ、今年もGWが始まった。
GWの正式名称について、世間では、Golden Weekなど解釈されているらしいが、僕はちっともGoldenじゃない。
昨日と今日が出勤なのは言うまでもなく、4月28日(土曜)、5月4日(みどりの日)5日(こどもの日)も、休日出勤になっているからだ。
毎年、この時期は休日出勤だらけで、気分がとてもブルーになる。
だから、僕は、GWという名称を見ると、別の解釈をして心を落ち着けることに決めている。そう、もちろん…。
Gyoza Weekだ。
例年、僕は、休日出勤の合間をかいくぐって、さまざまなGW的活動を行ってきた。
2年前のGWには、東京~宇都宮(餃子の街)を、ひとり100kmマラソンも敢行。
とっても悲しい結末が待っていたものの、今となってはいい思い出だ。
今年は、それほどの気力も計画も持っていなかったが、せめて、幸先の良いGWスタートを切りたかった。
前述させていただいたように、4月28日の土曜日は、出勤日となっていたが、夜明け前は僕のフリータイム。
ということで、その時間でも餃子が食べられる店まで、走って向かうことにした。
候補店はいくつかあったが、折角ならば新規開拓…それも、ラーメン屋などでついでに食べられるものではなくて、餃子の専門店で食べたかった。
夜明け前の時間まで通し営業している餃子専門店…。
そのハードルはなかなか高かったが、僕は、かねてから気になっていた店に狙いを定めて、走り始めた。
日の出時刻は、4:53。
月の入りは午前4時だったので、夜明けの時刻だと、月はもう沈んでいる。
しかし、夜明け前ならば、まだ大丈夫。
僕が走り始めたのは、午前3時前だったので、天空には、まだ月が煌々と輝いていた。
満月を迎える直前の月。美しい。
僕は、そんな月に見守られながら、淡々と走り続けた。
この日、僕が走ったのは、国道17号線ルート。
普段は車通りの激しい道なのだけれど、この時間はまだ閑散としている。マラソン大会気分で、思わず車道を走りたくなってしまうほどだ。
ただ、もちろんそんなことはできないので、人のいない歩道を淡々と走り続けた。
そして僕が辿り着いたのは、神田駅至近にある…。
「餃子酒場、大田屋」だった。
朝5時まで営業していることは、Webサイトなどで確認済み。
僕がここに到着したのは、まだ4時を過ぎて早々だったので、時間的には余裕。
だからもちろん、店の灯りはついており、夜中から呑んでいると思われる酔客も沢山いた。
僕は、店の前で記念写真を撮りながら、胸をときめかせていた。
餃子酒場で迎える、2018のGyoza Week。最高じゃないか。さぁ、思いっきりGWを満喫しよう!
…と思った矢先、僕は、奈落に突き落とされることになる。
たまたま店内から出てきた店員に、「今からよろしいですか?」と尋ねたところ、衝撃的な回答が帰ってきたからだ。
「すみません。もう閉店になります。」
えっ?
僕は大いに驚いた。
朝5時までじゃなかったのか。店の灯りはついているし、まだ、中に沢山客がいるではないか。それなのに、なぜ閉店なんだ。
僕の頭は、衝撃と疑問が渦巻いて、真っ白になった。
そんな僕の表情を見て、店員は、言葉を補足した。
「お料理のラストオーダーが4時になります。申し訳ありません。」
なんと…。
僕は、愕然として、腕の時計を眺める。時刻は4時5分。
あぁ、たった5分の遅刻で、餃子を食べられなくなってしまうとは。痛恨だ。痛恨すぎる。
そもそも、酒場のルールでは、閉店時刻の前にラストオーダー時刻があることは当たり前で、それを下調べしておかなかったことが大きなミス。
予めラストオーダー時刻が4時だとわかっていれば、もう少し早く家を出ていたし、道中のスピードも上げていた筈だ。
僕は自分のバカさ加減を呪った。
あぁ、幸先の悪いGWになってしまったなぁ…と思いながら、僕は、少しだけ救いがあることを知った。
この店の周り、神田駅界隈は、一大飲み屋街になっている。
だから、午前4時台でも営業中の店はあちこちにあった。その中には、餃子が食べられる店もあるのではないか?と、思ったのだ。
下調べは全くしておらず、行き当たりばったりに探すことになってしまうが、そんな中に、隠れた宝が眠っているかもしれない。
…と、ポジティブ志向に切り替えて、僕は神田の街を彷徨った。
そして。