2017年、オスカーの大本命作品。
史上最多、13部門14賞にノミネートされている超話題作だ。
洋画好きとしては、何としても見ておかなければいけない映画だと思った。
アカデミー賞の授賞式は、日本時間の今日、27日だから、その発表前に見たかった。
ということで…仕事と雑用だらけだった先週末に、何とか時間をやりくりして鑑賞。
音楽を楽しむ映画だと思ったので、大画面、かつ、圧倒的なサウンドが「売り」のIMAXで鑑賞。
通常料金より500円もかかってしまうが、それだけの価値はあったと思う。
映画の舞台は、ロサンゼルス。ロス名物と言われる渋滞シーンから始まる。
退屈な幕開け…かと思いきや、いきなり、みんなが車から出て踊り出したのには驚いた。
歌も、踊りも、そして情景も圧巻の青空ミュージカル。
音楽好き、ミュージカル好きならば、きっと、ここからぐいぐい引き込まれる映画に違いない。
ただ、僕は、ちょっと違和感も感じていた。
正直に告白すると、僕は、ミュージカルがそれほど好きなわけじゃなかったからだ。
さらに言うと、映画のテーマとしても、ちょっと微妙。
僕は、一応映画ファンではあるけれど、サスペンス、SF寄りの作品が好きで、恋愛系や青春ものなどは、どちらかというと苦手。
だから…。
売れない女優とジャズピアニストの恋を、往年の名作ミュージカル映画を彷彿させるゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描く。
このストーリーを、僕が楽しめるかどうかは、ひとつの賭けだった。
そういった点で言うと、圧巻の冒頭からしばらく続く、「ミュージカル的」「恋愛映画的」な流れには、ちょっとのめり込めずにいたのだ。
映像のひとつひとつは、とにかく美しいので、感心しながらスクリーンを眺めつつ、やっぱり、僕の趣味とはちょっと違うなぁとも思っていた。
ストーリーには、各種名作映画へのオマージュも、ふんだんに散りばめられているようなので、評論家や、そういった映画好きの評価が高い作品なのだろう、と考えていた。
ところが…。
映画を見ているうちに、その印象が変貌していく。
「冬」の情景から始まる物語は、その後、「春」「夏」「秋」を経て、また「冬」に戻る。それぞれの季節イメージに合わせた、物語の紡ぎかたが実に絶妙。
僕は、恋に落ち、夢を追っていく二人の姿に、ぐいぐい引き込まれていった。
とにかく、その構成が秀抜だ。とりわけ「秋」以降の展開が素晴らしい。
これは、単なるミュージカル題材の映画じゃない。単なるラブロマンスでもない。
ネタバレになるので、これ以上は書けないけれど、ミュージカルや恋愛系が得意じゃなくても、「映画好き」であるならば、きっと、いつの間にか痺れている映画だと思う。
エンドロールが終わっても、しばらくは、その音楽の余韻が残る。これは、サントラ版を入手しておきたい映画だなぁとも思った。
パンフレットも、もちろん購入。
表紙は、ピアノの鍵盤をモチーフにしていて、それを眺めていると、映画に流れたピアノの音が甦ってくる。
いやぁ、素晴らしい。
僕は、それほどミュージカル好きではなかった筈なのだけれど、この映画を見終わった後は、もう、ミュージカルの虜だ。
だから、この映画を再見したならば、前半に満載されているこういったミュージカル的情景が、もっと、もっと楽しめる筈。
いやぁ、これは、必ずもう一度見に行きたいなぁ…と思った。
今日発表されるアカデミー賞、オスカーで、この作品が候補になっているのは、以下の13部門14賞。
作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞、音響編集賞、録音賞、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞(2曲)
このうち、何部門を受賞するのだろう…。
映画を見終わった後は、どれもこれも納得。オスカー各部門の結果発表後は、その評価を確かめるべく、もう一度見に行きたいと思っている。
この予告編を見ていたら、本編のさまざまな映像が、音楽が、頭の中に甦ってきて止まらなくなった。
サントラ版も、是非買っておかなければ…。
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