馬喰町。
東京エリアの人以外には、かなりの難読地名なのではなかろうか。
都内在住の人であっても、土地勘が薄いと、「いったいどこ?」と思う人もいそうな気がする。
しかし、この《ばくろちょう》エリアは、実は、人形町や東日本橋などにも近く、決して寂しい場所ではない。グルメ系の名店も多い地域だ。
ただ、この店は、そんな馬喰町エリアの中で、ひっそりと佇んでいた。
至近の駅は馬喰町だが、地名としては東神田。地名から受けるイメージだと、飲み屋などが沢山ありそうなのだけれど、周りには何もなく…。
小道の入り口に、 この看板がなければ、見逃してしまうような場所にあった。
ただ、看板の内容をしっかり読めば、見逃せない店であることがわかる。
ビール+餃子+日替わり1品の晩酌セット(~19:00)が500円!
生ビールは終日220円!激安じゃないか。
会社の近くにあったなら、毎日通いたくなるような価格だ。
店のメイン看板に、ライトなし。
入り口の前には、別途、電光看板があったので、問題はないのだけれど、なんだかちょっと寂れた店のようなイメージを受けた。
ということで、僕は一瞬不安を感じてしまった。
僕の信頼している餃界の方々が、強く推奨されていた店だったので、味的には大いに期待していたけれど、店内の雰囲気は寂しいのかなぁと思ったのだ。
しかし、それは大きな誤解だった。
店内は、超満員。活気に溢れていた。
僕がこの店を訪問したのは、一昨日の夜。忘年会シーズン真っ只中の12月、それも金曜の夜なのだから、賑わっていて当たり前なのかもしれない。
が、それを踏まえても、明るい雰囲気に好感。僕はちょっと安心した。
店内のメニュー表示。
これだけ見ると、それほど特徴があるような店には思えない。が、この日の僕らは、こういったメニューとは無縁。
オリジナルの「手作り餃子づくしコース」を注文していたからだ。このコースで出てくる餃子類は、通常メニューには存在せず、5日以上前からの予約が必要。
まさに、餃子好きのための、とっておきの餃子コースなのである。
僕は、今回、そんな素晴らしい餃子会に参加させていただくことができ、本当に感激だった。
メンバーは9人。全員が揃ったので、ビールなどで乾杯。
さぁ、いよいよ、餃子尽くしイベントの始まりだ。
前菜。
…と呼ぶには、すごいボリューム。9人分まとめてひと盛りとは言え、それでも圧巻。
多種多彩な肉がたっぷりで、干し豆腐もかなりの量がある。
クラゲの下にも肉が敷き詰められているため、かなり食べ応えがある。
この日の会は、20:30~開始ということもあってか、僕は結構お腹が空いていたし、皆も同様であると思えた。
しかし、この日のメインは、あくまで「餃子尽くし」であるため、肉でお腹をいっぱいにさせてしまうわけにはいかない。
ということで、ちょっとセーブ気味につまんでいると、待ちわびたメイン料理がやってきた。
おぉぉぉ。メンバー騒然。
最初はオーソドックスな餃子がやってくると思っていたので、いきなりのド変化球に、驚くばかりだった。
皮がエビ?上に載っているのは卵黄?いったいこれは何餃子なんだ?
卵黄の下、ひき肉に思えたものは、すり身のような感じだったので、僕らは、店員にこれはどういった餃子なのかを尋ねた。
すると…。店員からは衝撃的な回答が返ってきた。
「それ、餃子じゃないです」
まぁ、言われてみれば、どう見ても餃子ではない。
しかし、世間的には、手羽餃子も餃子とみなすフシがある*1し、前菜の後で、餃子尽くしコースがはじまるとばかり思っていたので、僕らの眼鏡は、すっかり曇っていた。
餃子ではなかったことに、ちょっと拍子抜けはしたけれど、これはこれで結構美味しく、また、変わった料理でもあったので、メンバーは、皆満足していたようだった。
ということで、気を取り直して、これからが本番。僕らは、今度こそ出てくる筈の、メインコース。餃子第一弾の登場を待ちわびた。
そして。
*1:僕は全く認めていない立場だけれどw