「恐い映画」というジャンルにも色々な種類がある。
個人的には、残虐な殺戮シーンが出てくる映画は、あまり好きじゃない。血の飛び散るシーンが、どうにもこうにも耐えられないのだ。
例えば、友人から推奨されたこの映画「プライベート・ライアン」
僕は、トム・ハンクスもマット・デイモンも大好きだし、これは、戦争映画の傑作として名高い作品。いわゆるグロ系の映画ではない。
しかし、冒頭30分間の殺戮シーンがつらくてつらくて、何度も鑑賞を断念したほど。
それさえ乗り越えてしまえば、実に感動的な作品だったのだけれど、乗り越えるまでに何度もかかってしまった。
ゾンビで恐さを演出する映画も苦手だ。
大好きなジャンル、SFやミステリー系の映画であっても、ゾンビがやたらと出てくると辟易する。
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なので、やみつきになるらしいこのTVドラマも未見だ。
僕は、amazonプライム会員なので、無料で見ることができるのだけれど、それでも、まだ踏み出せない。
しかし。
この映画は、そういったシーンがない「サイコスリラー」という評判。
ならば、安心して恐怖に浸る(変な日本語だ)ことができると思った。
この予告編を見た時から気になっていたし、信頼できる映画好きの友人が、あっと驚く結末を味わえると激賞していたので、見に行くことに決めたのだ。
ということで、少し前に鑑賞。
いやはや、恐かった。何を書いてもネタバレになりそうなので、あまり細かいことは書けないのだけれど、1週間以上たっても、まだ、じわじわとした恐さがこみ上げてくる。
ストーリーは実に単純であり、登場人物も少ない。夫の故郷で新生活を始めた夫婦を巡る話で、淡々と進む。
しかし、夫の小学校時代のクラスメートから「ギフト」が届くたびに物語は変容し、そして…。
夫婦の家には、タイトル通り、さまざまな「ギフト」が届くのだけれど、残虐なものが送られてくるわけじゃない。
前述の通り、この映画には、殺戮シーンもゾンビも出てこない。
しかし、この映画は実に恐い。特に、最後のギフトの恐さ、怖ろしさには、背筋がぞわぞわと寒くなった。
映画を見終わったあとも、じわじわとこみ上げて収まらないぐらいの後味。
前半と後半で物語の印象が一転するし、巧妙に伏線も貼られているので、それを確かめに、もう1度見たいと思っている。
いわゆる大作映画とは一線を画する「小品」だけれど、実に良く出来た作品だ。
心理的な恐怖を味わいたい人には、オススメ。