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ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

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《天才》ボビー・フィッシャーの生きざまに驚愕した「完全なるチェックメイト」

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若い頃、僕はチェスに嵌まった時代があった。
Checkmate1
だから、この映画は非常に楽しみにしていて、公開早々に鑑賞。
史上最年少の14歳でチェスの米国チャンピオンに輝き、15歳にしてグランドマスターとなった、まごうことなき《天才》ボビー・フィッシャー
この映画は、そんなボビー・フィッシャーの、数奇な人生を描いた、実話に基づく物語だ。
いくつもの回想シーンを行き来しながら、メインの時代に戻ってくるという実話ベースのストーリーという点は、昨日のエントリーで書いた「黄金のアデーレ」と同じ。
しかし、誰にでもお薦めできる名作の「黄金のアデーレ」と異なり、この映画は、人を選ぶような気がする。
何と言っても、トビー・マグワイア演じるボビー・フィッシャーの狂気っぷりが凄まじすぎるからだ。
チェスの世界は、究極の頭脳戦であり、史上最年少でトップに上り詰めた男の話だから、とりわけ神経を張り詰める必要があると言うのは、ある程度理解できる。
しかし、それも、ある程度だ。個人的には、映画を見ながら「えっ、ここまで言うか?」「ここまでするか?」と思うことがしばしばあった。
ボビー・フィッシャーの複雑な家庭環境、そして、メインストーリーでの時代背景が米ソ冷戦下で、極めて特殊な状況にあったことも踏まえて考えれば、納得できたのだろう。
しかし、僕がそれを完全に理解できたのは、映画鑑賞後、パンフレットやさまざまな情報を読んでからのこと。
Checkmate5
これを読んで、あぁ、そういうことだったのかと納得できたことも多数あった。
映画の中で、彼の内面が崩れていってしまった理由や背景を、もう少し掘り下げて描いてくれれば、もっと、物語にのめり込めたんじゃないかと思う。
ただ…決して面白くなかったわけじゃない。鬼気迫るトビー・マグワイアの演技は素晴らしく、ボビー・フィッシャーが希代の「天才」かつ、希有の「奇人」であったことが、手に取るように伝わってきた。
ボビー・フィッシャーの精神面を描くことがメインテーマとなっているため、チェスのルールを知らなくても、この映画は楽しめると思う。
精神的な葛藤を描く人間ドラマが好きな人にはお勧め。
Checkmate2
僕がチェスに嵌っていた頃に買った、ボビー・フィッシャー著の「チェス入門」。
すり切れるぐらいまで読み返して、カバーもなくなってしまったけれど、まだしっかり持っていた。
今年、僕は相当多数の本を断捨離したのだけれど、この本は残していたので、それだけ思い入れが強い本だったということ。
これを読んでいた頃は、ボビー・フィッシャーがそんな奇人であるということは、つゆとも思っておらず、ただ、圧倒的に強い世界チャンピオンだという認識しかなかった。
Checkmate4
フィッシャーからの、自信たっぷりの序文。
しかしそれが単なる自惚れでないことがすぐにわかるほど、この本は素晴らしい。
Checkmate3
左ページが逆さまに印刷されているのは、印刷ミスに非ず。
この本は、ボビーフィッシャーからの出題に基づき、ページを繰りながら回答が現れる形式になっており、前半は、右ページだけで進んでいく。最後のページまで辿り着くと、今度は本を逆さまにして、後半の問題が現れる。
その内容も、実に素晴らしく、例えばチェスの知識がゼロであっても、全く問題ない。初歩の初歩から、実に丁寧に解説されており、実践問題に入っても、1問1問進んでいくことに、緩やかにレベルアップしていく仕組みなので、理解が深まり、のめり込んでいく。
実に画期的な本であり、僕は、唸りながら読んだことを思い出す。
この本の初版は1974年なのだけれど、そんな時代にこんな素晴らしいアイデアの本を出していたのだから、それだけでもボビー・フィッシャーの凄さがわかる。僕が購入した1990年代には、既に20版を重ねていたため、チェスファンにとっては不滅の名著と言えると思う。
僕が買った時は、ハードカバーの本だったのだけれど、現在は、ソフトな体裁に生まれ変わり、新装版として発行されているようだ。
この映画を見て、チェスファンになった人には、絶対の推薦本としたい。


新装版 ボビー・フィッシャーのチェス入門


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