餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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四万十川ウルトラマラソンの追憶(その9:特別な小石、格別の声援)

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(承前)
「がんばれ」
shimanto-STONE
80km以上走って疲れ切った身体に、その言葉が沁みた。
僕は、掌の中で、その特別なお守りを握りしめた。レース前日の受付会場で見つけた小石。記憶が甦る。
shimanto10

地元の中学生たちが、手作りでペイントした石のアート作品だった。石の裏側には、生徒たちの手書きで、学年や名前も記載されていた。ランナーへの応援メッセージが併記されているものもあり、じんとした。
これは大きな力になる。僕は中学生たちの思いに感謝し、その中から1つを選んだ。
四万十川ウルトラマラソンの追憶(その1:出発〜前夜)

そう、これは、この時に選んだ石だ。
応援メッセージの書いてあるものはそれほど多くなく、大きな石が多かったが、僕は、どうしても持って走りたかったので、小さな石を探した。
そして、これを発見。
ただ「がんばれ」と書いてあるだけの、シンプルな表現だけれど、だから尚更いいと思った。これは、僕にとっての特別なお守りになる。そんな確信があったのだ。

特別なお守り。きっとつらくなる筈の後半に支えてもらおうと思って、レストステーション行きの袋に入れていた。ちょっと重いし、嵩張るので、少し迷ったが、やはりこれは持っておくべきと思い、ランニングパンツのポケットの中に入れた。
少し重さを感じたが、それがきっと、今後心の支えになると思った。
四万十川ウルトラマラソンの追憶(その6:レストステーション)

小石を握りしめるたび、僕は力が湧いた。あぁ、四万十の方の温かさに支えられて走っているのだなぁと思った。
そんな感懐に浸っているさなか、突然、沿道から僕の名前を呼ぶ声がした。
知り合いではなかったから、一瞬、なぜ僕の名前を知っているのだろうと思ったが、すぐに理解した。その人が、これを持っていたからだ。
shimanto-menber
出走者一覧表。
そういえば、前日、受付会場や宿泊先のホテルなどに置いてあったことを思い出す。出場選手のナンバー順に、参加者名が書かれているので、僕のナンバーと表を照らし合わせて、名前を呼んでくださったのだ。
いやはやこれは感動だった。
1回だけじゃない。80kmをすぎたあたりからは、何度も何度も、この表を見ながら、僕の名前を呼んでくれる人たちがいた。それがどれだけ大きな心の支えになったことか。
特別な小石、そして、格別の声援。四万十川の方々はなんてあたたかいんだろう。僕は心から痺れた。
shimanto-90km
90km地点、通過!
いよいよゴールが見えてきた。心が折れそうになったのも今は昔。ここまでくればもう大丈夫。完走は間違いないし、目標時間も狙えそうだったので、気力も復活していた。
…が、ひとつだけ不安なことが発生していた。
(次回完結)
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