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さよなら、そしてありがとう、雑誌「ぴあ」

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ひとつの時代が終わってしまう。


雑誌「ぴあ」、首都圏版が7月休刊 ピークには53万部販売  :日本経済新聞

休刊するのは7月だから、まだ少し先の話とはいえ、最新号の表紙が何とも皮肉だ。
「絶対に次にはいいことが起きるって」という赤塚不二夫の台詞は、ポジティブで素晴らしいが、雑誌「ぴあ」の歴史が閉じるのは、決していいことなんかじゃないから。
僕が若い頃の「ぴあ」は無敵だった。誌面には、映画、コンサート、スポーツの数々や、各種演劇、絵画展などに至るまで、ありとあらゆるイベントがごった煮的に溢れていた。僕の情報アンテナや行動計画は、常にぴあを基点にしていて、「ぴあ」なしでは生活できないとまで思っていた。
当時の「ぴあ」は、とにかく情報を詰め込みまくっていることが売りで、読み物などは殆どなかったのだけれど、それでも本当に面白かった。各ページの欄外にあった「はみだしYouとPia」(まさにTwitterの先駆け!)が、一服の清涼剤的な役割を果たしていて、これまた最高だった。
僕は学生時代落研だったので、落語会の情報も常にチェックしていて、母校の落語会が掲載された時は本当に嬉しかったことを思い出す。
その後、「ぴあ」はリニュアルを繰り返し、そのたびに情報は減り、誌面はすっきりシンプルに変わっていった。
膨大な情報群は、ネットで検索すれば簡単に得られる時代だから、「読んで楽しめる記事、誌面」への転換を図ったということだろう。しかし、それさえも、ネットでの情報群には叶わなかったということか。
休刊理由は、まさに「紙の雑誌としての媒体の役割を全うしたため」となっている。このコメントは、「ダカーポ」休刊時の理由*1と重なる。ダカーポが無くなった時は、本当に寂しかったけれど、「ぴあ」まで無くなってしまうとはなぁ…。
ただ、かくいう僕も、最近は定期的に購入しなくなっていたので偉そうなことは言えない。ピーク時に53万部あった発行部数が、6万部まで落ち込んでいたとのことだから、休刊もいたしかたないところなのだろう。
もちろん、今後も「ぴあ」のブランドは残る。コンサートやスポーツなどのイベント好きであれば、「チケットぴあ」の存在を知らない人はいないだろう。そもそも、今や、ぴあ株式会社の売り上げの約9割はチケット販売事業というのだから、雑誌がなくなっても会社としてはそれほど困らないのかもしれない。
ただ、やっぱりひとつの時代が終わってしまうのだなぁ…という寂しさは残る。

*1:「ネットや携帯電話の普及で、その役割を終えた」


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