餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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一生忘れられない「現代語裏辞典ライブ」の夜

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一晩たった今でも、まだ感動の余韻が残っている。

「筒井康隆、筒井康隆を読む」を見に行った時も感動したが、今回はそれ以上。
一晩たった、と書いたが実は殆ど眠れなかった。どんな時でもすぐに眠りに入れるのが僕の身上なのに、全くダメだった。興奮と感動で、眠ってなんかいられなかったのだ。
未だ興奮さめやらない気持ちを、エントリーを書くことで押さえていきたい。
昨晩のライブは、筒井康隆先生の作家生活50周年を記念した企画だった。イベント告知の公式ページにはこのように記されている。

筒井康隆作家生活五十周年記念と「現代語裏辞典(文藝春秋)」大ヒットを記念して贈る筒井康隆を生ライブ体験できる歴史的超激レアイベント開催決定!!
ネットを使った会場の中も外も巻き込んだ様々なコーナー。「現代語裏辞典」をどれだけ暗記してるかのテストや新しい裏項目をみんなで考えるコーナー。そして最後になんと筒井康隆本人による生朗読ライブもあり!!
新旧ツツイストにとって歴史的な夜となる事必至!必見!
筒井康隆作家生活五十周年記念〜現代語裏辞典ライブ TOKYO CULTURE CULTURE:@nifty

そう、まさに歴史的な夜だった。
定員がたった113人という非常に限られた空間の中で、僕は筒井さんの素晴らしさを、心ゆくまで味わうことができた。この感動は簡単に言い表せない。
イベントは3部構成になっており、その進行は以下の通りだった。

イベントは、まず、ウィキペディアの「筒井康隆」項目の修正から始まった。これは、筒井さんご本人のご意見をもとに、その誤りを指摘し、生で修正を入れていこうという画期的なコーナーだった。あの平石滋さんや、id:flow2005さんもチェックに加わってらっしゃったので、細かいところまで、実に鋭いツッコミと修正が入っていたのが印象的だった。
続いて行われた10の質問では、現在執筆中の新作長編「聖痕」についてや、連載第1回目のあと、本誌発行が止まっているために続きが読めなくなっている「ビアンカ・オーバースタディ」の話などを聞けたことが嬉しい。「煙草は1本10万円になっても買い続ける」「106歳で宇宙に行く(!)」と言ったご発言もあり、非常に感慨深かった。
このイベントは、Ustreamでも生中継されていたのだけれど、筒井さんの発言が(中継的には)過激すぎて、途中音声が止まるといった一幕もあったらしい。しかし、他ならぬ筒井さんがお話になるのであれば、全く自然のトークであり、それを生でしっかり聞くことが出来て本当に嬉しかった。
第二部。
筒井さんのTwitter公式アカウントでもその一部が紹介されている「現代語裏辞典」の用語を、どれだけ覚えているかを試すクイズだった。会場のスクリーンに裏辞典の用語が映し出され、その用語を答えるという形式。予めテーブル毎に決められたチーム対抗で行われた。
裏辞典の用語は、なんと12,000弱もある。その全てを記憶できる筈などない。Twitterで紹介されたものが中心だったとはいえ、それでも数百はある。僕は殆どお手上げだったのだけれど、ツツイストの皆さんの記憶力に脱帽。
中でも「筒井康隆症候群」*1の、かんぱちさんが次から次へと正解され、会場中の注目を集めていた。
ただ、チーム対抗となったため、結局は競り負けてしまい、賞品の《筒井康隆50周年記念バッチ》を入手することはできなかった。僕は全く浮かばなかったので、チームに貢献できず、申し訳ないと思っている。
そして、第三部。
みたび、筒井さんが登場される。待ちに待った朗読コーナーだ。朗読は、あの時で最後というお話もあったので、本当に嬉しかった。読まれた本は、「壊れかた指南」(文藝春秋刊)収録の「鬼仏交替」。
いやはや、これが何とも、本当に面白かった。筒井さんの小説を他ならぬ筒井さんが朗読されるのだから、面白いに決まっているのだけれど、想像を超える至高の瞬間だった。途中、グラスが割れるアクシデントがあるほどの大熱演。爆笑の嵐。
筒井さん曰く、「これが最後の朗読」と言うことだったけれど、きっとまた、良い意味で僕らを裏切ってくれると願っている。
大喝采の朗読をもって、夢のようなライブは終了した。これだけでも僕にとっては忘れられない夜だったのだけれど、さらに大きなサプライズが待っていた。
なんと、筒井さんや、主催の方々を含む関係者の皆さんの打ち上げに、僕も参加させていただくことができたのだ。
参加できた理由は、筒井さんの公認ファンサイトである「筒井康隆症候群」繋がりだった。僕は、壱蔵という名前で、このファンサイトの一員に入れていただいている。
一員と言っても、殆ど活動していなくて恥ずかしい限りなのだけれど、アクティブな、かんぱちさんやすけさん、呂不ヰさんとご一緒させていただいていたおかげで、打ち上げにも同席させていただくことができた。感動だ。

こうやって、筒井さんが談笑される姿を見ているだけでも感動だったのだけれど、なんと、先生自ら、僕らのテーブルにまでお寄りいただいた時は、身体じゅうが緊張で凍りつきそうだった。
何しろ、子供の頃から夢に見て、憧れ、尊敬し続けた筒井さんが、目の前にいらっしゃったのだ!それだけで、心臓が止まりそうだった。
「ICHIZOと申します」
震えながらも何とかご挨拶すると、筒井さんは、優しい眼差しで微笑みながら、僕にこう告げてくださった。
「ICHIZOの、いち、って言うのは、難しいなんだよな」と。
うぉぉ。僕は猛烈に感動した。そう、症候群での僕のハンドルは壱蔵だから、難しい壱だ。先生が、僕の名前を覚えていてくださっている!その場で倒れそうになるぐらい、感激で震えた。長いこと生きていると、たまにはこんな素晴らしい経験もできる。あり得ないと思っていた瞬間が、実現することもある。そう思うと、今でも胸が熱くなる。
ツツイストで、本当に良かった。僕はこの瞬間を一生忘れないだろう。
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*1:筒井さん公認ファンサイト。僕も末席に参加させていただいている。


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