今月は、とにかくSFマガジンに痺れてしまったので、昨日単独でエントリーしてしまったのだけれど、もちろん一緒にミステリマガジンも購入している。SFMのインパクトには及ばないものの、これもまた魅力的な特集だ。
特集は、本格ミステリの定番であり、人気の高い「密室」テーマ。流石はミステリマガジンだけあって、単なる小説特集にとどまることなく、非常に充実した内容になっている。
- 短編競作
ピーター・トレメイン、ポール・アルテ、エドワード・D・ホック3氏による競作。密室の情景は「旅客機内のトイレ」「トンネル内のエスカレーター」「密室状況の丸太小屋」とバラエティに富んでいる。
- 漫画
坂田靖子氏による幽霊執事シリーズの第5弾「オフィス」。特集に合わせて、密室がらみのテーマ*1になっている。
- エッセイ
日本人3氏による密室エッセイ。有栖川有栖「何故、密室なのか?」柄刀一「百万の密室」安井俊夫「建築家と密室の微妙な関係」
- 資料と研究
ミステリ書評家、濱中利信氏による密室映画エッセイ。「有名な映像化作品をとりあげてもミステリマガジンの読者には退屈だろう」等の理由から、《原作となるストーリーが少なくとも日本の活字になっていない映画》に絞って紹介している。
密室特集の他、栗本薫氏、永井淳氏の追悼小特集も。
栗本薫氏は、ミステリ分野でも多大な業績を残した作家だけれど、SFマガジンで大特集を組んだためか、日下三蔵氏、綾辻行人氏の追悼エッセイのみで、特集としては控えめ。(ただ、どちらも栗本ファンは必読)
*1:ちょっと無理矢理な設定と言えなくもないけれど…漫画としては面白い。