これまで僕は、映画に殆ど興味がなく、1年に1作見るかどうかというぐらいの状況だった。それが、年末の「アイ・アム・レジェンド」に続く鑑賞、それも、公開日当日に見に行くなんて、我ながら驚いている。
もともと、SFパニック系のシチュエーションが好きな上に、徹底した情報シークレット戦略が気になり、さらには、謎だらけの予告編*1などで関心が高まっていた。
そして、極めつけは、あのポスターだった。
首のない自由の女神像。向こう岸には、炎が上がるマンハッタン。ニューヨークが舞台というだけでそそられてしまうのに、こんな画像まで見せられては、我慢できる筈がない。
インターネットで確保した、映画館中央の極上ポジションに陣取り、僕は、ドキドキしながら、謎の映画が始まるのを待った。
そして…。
(以下は完全なネタバレなので、これから見る予定の方は、絶対に読まないことを強く推奨。)
いやはや、驚いた。
まさかあんな謎だらけのままで終わるとは思わなかったからだ。
ストーリーは至って単純。突如現れた「謎の超巨大生物」と「謎のクモ型モンスター群」が、僅か一晩の間に、マンハッタンを壊滅させる。ただ、それだけ。
超巨大生物は、マンハッタンのビルを破壊し尽くし、謎のクモ型モンスター群は、マンハッタンの街じゅうに大挙して襲来し、人間たちに襲いかかる。クモ型モンスターの姿こそ、最後の最後で明らかになるが、巨大生物との関係はイマイチわからない*2し、巨大生物そのものの姿は、最後まで不鮮明なままだ。
そもそも、その「巨大生物」や「クモ型モンスター群」が、いったい何の目的で、どこからやってきたのかについても、全編を通して一切明らかにされないのだ。
映像は、全編がハンディカメラを通しての撮影になっており、それが驚異的なリアリティを生んでいる。正直、最初から15分ぐらいのパーティーシーンは退屈そのもので、カメラのブレも気になり、嫌気がさしてくるほどだった。
しかし、「謎の生物」が襲来してからは、一気にその効果が絶大になる。救いようのない唐突なラストシーンも、ハンディカメラでの映像記録だと思うと納得がいく。
「いくら何でも、あの状況であれば、カメラを捨てて逃げるだろ」とか、「ニューヨークがあそこまで破壊され尽くしているのに、電気や携帯電話が不通に使えるのはおかしい」とか、「ヘリコプターが墜落して、助かるか普通?」とか、ツッコミどころは満載なのだけれど、それでも僕は、この臨場感を評価したい。
帰りにプログラムを買ったら、その中身まで《袋閉じ》になっているほどの徹底ぶりで、驚いた。*3。ここまでこだわったシークレット戦略がこの映画のポイントであり、これを評価できるかどうかで、賛否が分かれるような気がする。
僕の評価は《賛》だ。特典内容によっては、DVDまで買いたいと思っている。