餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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アイ・アム・レジェンド

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年末年始一番の超話題作である。
いつもは殆ど映画を見ない僕だけれど、これだけは何としても行きたかった。「地球最後の男に希望はあるのか。」という壮大なSFテーマ。しかも舞台が、廃墟となったニューヨーク。生粋のSFファン*1であり、ニューヨークを心底愛する僕としては、行かずにいられなかったのだ。
そして、大いにワクワクして出かけたのだけれど…
(以下、ネタバレあり。ご注意。)



…激しく凹んだ。
これを見たのは大晦日なのだけれど、今になっても心のどこかで立ち直れない自分がいる。それほどまでにこの映画は、僕にとってキツすぎた。テーマがテーマだけに、ある程度重くなるというのは予想していたけれど、まさか、あんな方向に行くとは思わないではないか。
いくら何でも、予告編のイメージと本編が違いすぎだろう、これは。詐欺じゃないのかと思うくらい。
いや。前半はいいのだ。たった一人(と一匹)という難しいシチュエーションを、名優ウィル・スミスは見事に演じきっている。シェパード犬、サムの演技も素晴らしい。そして、廃墟と化したマンハッタンの風景には息を呑む。草がぼうぼうと生い茂るタイムズスクエア、航空母艦イントレピッド上でのゴルフショット、孤独なAM電波を流し続けるサウス・ストリート・シーポート…。こういったシーンを見られるだけでも、この映画には価値がある。
若干説明不足でわかりにくい点も多いが、様々な謎が徐々に解明されていくというのも悪くなかった。この寂寥感こそが、「アイアムレジェンド」の魅力なのだろうな、と思った。
しかし、後半。
ウィルスにかかって突然変異したゾンビ群たちとの対決が始まると、そんな寂寥感はいっぺんに吹き飛んでしまった。突然の大音響や、CG色たっぷりで気色の悪いモンスター大襲撃。いったいどんな三流ホラー映画だよ、これは。と思ってしまった。
こういった展開になるなら、スポットCMでも、ちゃんと「地球最後の男が、人類の敵となったゾンビたちと闘うホラー映画」と告知してもらいたい。もちろん、最初からそんな映画とわかっていれば、僕は見に行かなかったけれど…。
ところどころに、素晴らしいシーンはあるのだ。ウィル・スミスの演技は最高に巧く、そして切ない。CDショップで、孤独に耐えられず、マネキンに返事を求め続ける場面。ウィルス感染してしまった愛犬のサムを抱きしめて、そして…。の場面。
でも、だからこそ、それらの寂寥感を全て台無しにしてしまうような後半が惜しい。いったい何なんだ、あのとってつけたような結末は。そもそも「地球最後の…」でも何でもないじゃんか。もう。

*1:と言いながら、原作である「地球最後の男」を読んでいないというのが情けないのだけれど。


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