メジロマックイーン逝く

憎らしいぐらい、強い馬だった。しかし、当時の僕はその強さを素直に評価することができなかった。同期のメジロライアンを贔屓にしていたため、菊花賞以降の勢力逆転に「悔しさ余って憎さ100倍」となり、反目してしまったのだ。
しかし、時を経て、戦績を、そしてレースを見直す度に、その強さ、凄さを実感した。特に、3000メートルを超えるレースでの無敵ぶりは忘れられない。もしも、今年の天皇賞に全盛期のメジロマックイーンがいたならば、ディープインパクトにとっても大きな壁となったのではないか*1と思うぐらいの強さだった。
メジロマックイーンと言えば、祖父メジロアサマ、父メジロティターンに続いて父子3代の天皇賞制覇を成し遂げたことでも有名だけれど、残された産駒たちには、是非ともその栄光を受け継いで欲しいと願っている。
ステイヤー色の強い戦績が災いして、交配牝馬に恵まれなかったこともあり、これまでの産駒はほとんど実績を残していない*2が、まだ可能性がなくなったわけではない。菊花賞前は、単なる条件馬の1頭でしかなかったメジロマックイーンが大変身を遂げたように、一発大逆転の可能性を残している血だと思うからだ。
名優メジロマックイーンよ、今こそ安らかに。

*1:両馬とも池江厩舎で、主戦も武豊というのも奇遇である。

*2:クイーンＣを勝ったエイダイクイン、青葉賞で3着に好走したエスパシオぐらい。