餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

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手首と肋骨に冷たい衝撃

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その瞬間、激痛が走った。
そして、次に猛烈な冷たさが襲ってきた。
コンクリートの床は冷え切っていて、十分すぎるほど体に沁みる。
起きあがろうとしたが、脚がからまって起きられない。
そうだ、この絡まったバンドのせいで、僕は転倒したのである。


年の瀬恒例の現場作業。
寒い作業場で震えながら、僕たちは商品の仕分けと梱包を行っていた。
毎年恒例の作業だから、メンバーも手慣れてきており、おそらく午後3時頃には
終了できるだろう、という見通しがたっていた。
よし、3時に帰ることが出来れば、貴重な年末の時間を有意義に過ごせる。


そう思っていた矢先、僕は脚元への注意が疎かになっていた。
おそらく、少し小走りになっていたのだろう。
僕の脚に、突然ビニールバンドの輪が絡まった。
若干加速がついていた僕の脚は、そのバンドの輪から脚を抜くことができない。
必然的に、もがいて絡まった脚は宙に浮き、僕は脇腹からコンクリートの床に
叩きつけられることになった。


「痛っ。痛たたたた。うう。」
起きあがろうとしたが、すぐに起きあがられない。
まだ脚のバンドは絡まったままだ。
同僚が、僕の脚からバンドを抜いてくれたおかげで何とか起きあがることは
出来たが、激痛はおさまらない。
まず打ったのは着地時の右腕甲。そして肋骨。
何もカバーするものはなく、冷たく固いコンクリートの床直撃だから、
これは骨の1本や2本、やられてしまったかもしれない、そう思った。
いったい誰だ、床にこんな危ないものを放置していたのは!
今考えると恨んでも恨みきれないが、この時はそういった気持ちさえ浮かばないほど
落ち込んでいた。


現場の作業はほぼ終了状態にあったので、業務進行上での迷惑をほとんど
かけることなく終えられたのは良かったのだけれど、結局一人で病院に行ける
ような状態ではなく、上司の車で連れて行ってもらうことになった。
我ながら非常に情けない。


作業場からほど近い病院に着いて。
灯りがついているのを見たときはほっとしたのだけれど、中へ入ってみると、
事務所では打ち上げ的なものが終了して、医師(らしき人たち)が三々五々
帰路に向かうような状況であった。


これは駄目かもしれないと思ったのだが、交渉してみると、何とか
医師が残っていて、最初はいないと言われたレントゲン技師も対応
できるという。そして、診察。続いてレントゲン。
いったんレントゲンの電源をOFFにしてしまっていたとかで、結果が
出るまでに40分程度かかると言われたが、もちろん断る理由など
あろう筈もない。

その間、ずきずきと痛む手首と脇腹を押さえながら、待つこと40分。
医師からお呼びがかかった。
運命の宣告だ。この宣告一つで、僕の正月休みは一瞬にして灰色になる。


で…結果は。
こうやって「はてな」に顛末を書けるくらいであるから、明らかなように
医師の診断は「骨に異常は見られません。打撲傷ですから、安静にすれば
治ります」であった。
僕は、一瞬「えっ」と思った。こんなに痛いのに、単なる打撲?
僕が医者に運ばれた時は、現場でも大騒ぎになってしまったために、
今更、単なる打撲と言われては、僕が単に大袈裟に言っていただけに
思われてしまうではないか。


現金なものである。本来は喜ぶべきところなのに、わけのわからない心配を
しているのだから。どうも僕は精神が屈折しているようだ。
正直、今でも痛い。特に脇腹はズキズキ痛む。でも、医者が大丈夫というのだから、
痛み止めを呑んでゆっくり寝ることにしよう。
明日はすっかり痛みが治まっていることを信じて。


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